海
海を見ていると
心のわだかまりが消えていく
ここに存在していることを
無条件に肯定してくれているようで
ふっと心がはしゃぐのだ
いつからだろう
ここからはぐれてしまうことを
恐れるようになったのは
太陽をオレンジ色に塗ったら
よく見てみなさい
太陽はそんな色ですか!と
叱れた
大多数の正解が
教室の片隅で萎縮している
あの子を
息苦しくさせていた
周りが笑っていたら
一生懸命笑おう
みんなが赤というのだから
オレンジは罰なのだ
原体験の記憶が
よみがえったのは
夕暮れどきの海だった
救いようのない後悔
嗚咽しているサンパノのそばに
海があった
海はいつだって
その存在を肯定している
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