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扉の向こう

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2018年7月の記事一覧

ふたり

何故だろう
わたしたちは
以前とは別の
ふたりになった

ひとりという
空間のだだっ広さに
押しつぶされそうな
あの日の
夏の夕焼け空
遠くではしゃぐ
子供たちの声が
やけに切なく
こだましていた

失くしたくない
宝物

それが何なのか
いつも一緒にいるはずの
君がいない空間で
バラバラに散らばっていた
記憶の欠片が
いっせいに
あたしの心臓に集まった

或る日の朝食の風景
或る夜の夕食の団欒

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