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春・地球の底で

木々は常に水辺へと首を伸ばし
波はいつも陸に上がろうとする
しかし枝は川の水を見る前に切り取られ
波は岩と岩の隙間に消えていく
そして希望は羽ばたきながら力強く目の前に現れ
その姿を見極めようとしたときには隠れてしまう

あの砕けた波はどこへ行ったのだろう?

彼は首に輪っかをつけている
しかし彼は平和な顔をしている
彼が見ている視点はいつも低い
だが彼はそんなことはお構いなしだ
輪っかを引いている者との信頼に結ばれ
彼は自由よりも"幸福"を選ぶ

私たちに自由はあるのだろうか?

轟音を上げながら猛スピードで走る時代をつくりあげたのは
ひとえに解放を求める叫びがあったから
だが今となっては・・・
覚えている者はどれだけいるだろう
何のために走り始めたのかを
息を切らして全速力で走り続け
振り返れば自由は遥かに遠く

風に吹かれる藁は身動きが取れないでいた
それをあるべきところに戻す
そこにはひと月前にはなかった茂みがあった

枝を何度切り落とされても
木々は新たな葉をつける
波は何度でも陸に挑戦する
子どもは大きくなる
どこからともなく蝶が舞う
この生命力は何だ?地の底から湧き上がってくるこのエネルギーは?

地球
太陽

星々が生み出すこの偉大なる喜び
そうだ

猫が鳴くのは自然の摂理である
だが、その鳴き声に返す人間の声
それが喜びでなくて、いったい何だろうか

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