お弁当のおかず交換をしない遠足なんて、何が楽しいのかわからないと思った話。

テーマ:図工

昔から
絵を描いたり、粘土をこねたりという作業が
とにかく苦手だった。

だから、図工はいつも全然ダメ。
ダラダラと過ごしたせいで、時間が足りなくなり
持ち帰って親に手伝ってもらったことも何度もある。

小学生のとき、木の板を切って
キーハンガーを作る授業があった。
フック部分はすでにあって、板をかわいくするというものだった。

私は、ノコギリも苦手だったので
友だちの筆箱を見てピカチュウの形を描き
隣りの席の「よし君」に、全部切ってもらった。

よし君は、保育園からの付き合いで
小学校の遠足では、女子の中に1人まざって
一緒にお弁当を食べるような子だった。

お弁当のおかずを交換するときは
いつも、「これ好きやろ?」と言って
ポークビッツとうずらが刺さった串をくれた。

ノコギリは、薄い板でも結構重労働で
汗をかきながら切ってくれていた。

そんなこんなで出来上がった
私のキーフックは、かなりいい感じで
クラスの「よかった作品」の上位に入ってしまった。

家に持ち帰ると、これまた好評で
20年近く、実家に飾られていた。

私は周囲の反応にモヤモヤしていたけど
そういうときほど、誰にも咎められないのはなぜだ?

ちなみに、よし君は
子どもの放課後の見守りをする仕事をしていて
「普段めちゃくちゃ優しいのに、怒ると怖い」らしく
女性の多い職場で、かなり重宝されている。

怒ったところは見たことがないけど
一緒にお弁当を食べたり、図工を手伝ってもらったりした
コミュ力が生かされているのだろうと思う。

あと、私は毎回お弁当交換では
「さつまいもチップ」をあげていた。
よし君は「これおいしいよなー」と言いながら
いつもうれしそうに食べていた。

お弁当も図工も
ギブアンドテイクが成立していたから
win-win…のはずだ。


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