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偶然みかけた素敵な瞬間

いつか受験生だったある日のこと。予備校で、くじでグループを組んで、お互いの似顔絵を描きあうという課題があった。私は3人グループで、全員はじめましての人だったので、とても緊張しながらその数日間を過ごしたのを覚えている。

そして最終日の講評の日、全生徒の作品がずらりと壁に集結した。

そのなかで、ひときわ目立つ、心惹かれる作品があった。芸大コースの先輩の作品で、絵の上手さはもちろんのこと、繊細で、美しくて、そのお相手の人物の空気感までもがやさしく表現されている。やわらかい光のなかで、可愛らしい彼女の魅力がこれでもかというほど引き出されていた。

私はその作品がすごく気に入ってしまい、講評が終わった後も、片付けながらぽーとそれを遠くから眺めていたら、こんなに素敵に描いてくれてありがとうございます!と描いてもらった女性が先輩にお礼を伝えていた。先輩は、よかったらあげるよ、と一言。女性もすごく喜んでいたが、素敵すぎる計らいに、見ていた私まで感激してしまった。

夏になると、なぜか予備校時代の記憶がふと蘇ることが多いのですが、久しぶりに微笑ましい風景を思い出したので、書いてみました。

今日は少し寒いですが、みなさんも、良い夜を。。



お読みいただきありがとうございました。おだやかな1日になりますように。