好きな映画のはなし
タイトル通り、好きな映画のはなし、です。
好きな映画を10作品、選んでみました。
思うまま好きなように書いて、ネットの海に投げ入れるような気持ちで。もしもどなたかの目に留まり、共有できる何かがあれば嬉しいです💐
* 具体的なネタバレは避けましたが、仄めかすような表現、ハッピーエンドかどうか、ラストに関わる台詞の引用等があります、ご注意を…
素晴らしき哉、人生!
フランク・キャプラ監督作品。高校生のとき父の薦めで観てから、ずっと大好きです。人生の指針であり、お守りのような映画。
「友ある者に敗残者はいない」
人生でほんとうに大切なことなんて、こんなにシンプルなことなんだなあって心が解けます。ラストシーンは思い出すだけでたまらない。私はジョージのようにはなれないかもしれないけれど、目の前の人を大切に、ただ誠実に生きたい。この映画を観ると、素直にそう思えます。
いわゆる勧善懲悪でないところも好きです。あの極上のハッピーエンドは「悪役」ポッターとはなんの関係もないところにある。まったくの別次元。他人の悪意や不条理を避けては生きられないけれど、それらが愛や幸福を汚すこともまた、できないのだと教わりました。
つぐない
こちらも高校生のときに初めて観て、打ちのめされました。お昼下がり、誰もいないリビングで。呆然とエンドロールを見つめていたのを憶えています。タイプライター音の印象的な音楽、美しい画、壮大な物語。ずっと大好きです……
どうして人は物語るのか。物語にはどんな役割があるのか。ブライオニーの告白が祈りのようで、私にはもう何も言えません。エゴや自己満足だという感想はよく見かけるのですが(それは私も正しいと思います)でも、こんなはてしない贖罪、切実な祈り、私は知りません。
原作、マキューアンの『贖罪』も大好きで、映画とともに何度も観て、読みました。どうして私は物語というものを愛するのか、その答えのような作品でもあります。ときに人は、自分の心を守るため、物語らずにはいられないし、物語という架空の世界があるからこそ、生きていけるのだと思います。
リトル・マーメイド
いつまでも煌めく宝物のような作品。アリエルに憧れて人魚になりたかったあの頃から、大人になった今も、ずっと大好きです。あのオープニングタイトルを観るだけで、泣いてしまいそうになる。音楽もすばらしい。
劇団四季のミュージカルも、大好きです。「愛こそすべてを乗り越える!」と高らかに歌い上げるフィナーレに、いつだって大泣きしてしまいます。ありがとう。そんなふうに歌ってくれてありがとう。すごくすごく、嬉しいです。
人間の魂について言及された、アンデルセンの『人魚姫』もとても好き。かなしくも清らかな物語に、心惹かれて止みません。
アリエルが陸の世界を憧れてくれるから、私もまだ大丈夫、この世界を生きていこう、と思える。人間の世界ってそう悪くないなと思い出せる。観るだけで、帰ってこられたような気持ちになります。多分人生でいちばんたくさん観た映画です。
ライフ・イズ・ビューティフル
こちらも、思い入れたっぷりの映画です。初めて観たのは、小学生のとき。当時どのように感じ、何を思ったのか、さすがに忘れてしまったのですが。あれ以来、グイドやジョズエは私のなかに生き続けています。ホロコーストを、どこか他人事とは思えなくなってしまった。
数年前に、この作品を映画館で観られたとき(午前十時の映画祭ありがとう!)冒頭から胸がいっぱいで泣き続けていました。なつかしくて、いとしくて、たまらなかった。原体験のような映画なんだなあと、改めて。
愛とユーモアがついには絶望や暴力に打ち勝つ、そんな光景が見たくて、私は映画を観るのかなあと思います。大好きでは言い表せないです。
いまを生きる
こちらも高校生のときに初めて観て、だからこんなに愛おしいのだと思います。トッドやニール、Dead poet society のみんなは、今も私のなかに息づいている。
もう、バグパイプの音色やキーティング先生(ロビン・ウィリアムズ)の笑顔を思い出すだけで、泣いてしまいそう……
キーティング先生の教えは正しかったのか(心は正しい!と叫ぶけれど、頭では難しい… と思います)、「彼」の選択は避けられなかったのか、大人になっても分からないまま。だからこそ、何度も何度も観てしまうのだと思います。こちらも映画館のスクリーンで観られた歓びが忘れられません。ずっと泣いてた…… 午前十時の映画祭、本当にありがとう!
ブロークバック・マウンテン
ラストシーンが好きです。本当に好き。こんなにも心響く場面を、私はあと何度観られるだろう。
この映画のことをかんがえると、現実と幻想、という言葉が浮かびます。ジャックとイニスにとって、お互いの存在やブロークバック・マウンテンはある種の幻想なんだろうなあって。侵しがたく安心で、狂おしいほどいとしいもの。そもそも人を愛するということは、どこか幻想が入り混じっているような気がしています。
本当に心惹かれるものは、どうして好きなのか、上手に言えないなあ。これからも、少しずつ、わかっていきたい。見つけていきたい。どうしてこんなに心掴まれるのか。理由がわからないほど、大好きです。
レ・ミゼラブル
Les Misérables という世界を愛しています。東宝ミュージカルも、物語も、楽曲も。この2012年ヒュー・ジャックマン主演版は、当時高校生の私に Les Misérables という世界を教えてくれた特別な作品です。映画自体ももちろん好きですが、ありがとうという気持ちでいっぱい。
数年前まで、年に一度くらいのペースで映画館で観られる機会に恵まれていたのですが、最近ないなあと思って調べてみると、日本上映権が切れてしまったとのこと。さみしいなあ……
「誰かを愛することは、神様のおそばにいることだ」(岩谷時子さんの名訳… 美しい)
ああ、この作品はこのことが、このことだけが、言いたかったんだなあって。何度観ても、聴いても、泣いてしまいます。
短縮版でしか読んだことのない原作、完訳版できちんと読むことが目標です。そして、映像でしか観たことのない記念コンサートやウエストエンド公演を生で観ること、死ぬまでに叶えたい夢です。必ず!!!
プライドと偏見
大好きなジェイン・オースティン。出会いはこの映画でした。とにかくすべてが美しい。時々、この文学的美しさを無性に摂取したくなります。
繊細で曖昧なやりとり。少しの誤解が、大きな歪みを生んでしまう。昔の恋愛には、なんだか憧れがあります。そして、極上のハッピーエンド。大人になっても大好きです。
結婚イコール幸せ、というのは現代では通用しない価値観ですが、オースティンの作品には、どの年代にも通じる普遍性があると思います。エリザベスの強さの在り方も、とても好き。
BBCのドラマ版も、同じくらい大好きです。
インターステラー
エドマンズの星に行くかマンの星に行くかでアメリアがいう台詞こそ、この映画の核だと思っています。少なくとも私は、だからこの映画が大好きです。
初めて映画館で観たとき、正直ちんぷんかんぷんで…… それでも惹きつけられ、少し勉強しながら(大栗博司著『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』が解りやすかったです)何度も観ては、好きの気持ちが強まっていきました。まだまだ、全然解っていないのですが…!笑
愛には、何か高次元的なパワーがあるのではないか、わたしたち人間がまだそれに気づいていないだけで…… 人智を超える宇宙の神秘と相まって、心惹かれて止まない作品です。
クラウド アトラス
ほかの作品と比べ、まだ日は浅いのですが。大好きでたまらない作品です。デヴィッド・ミッチェルの原作も読み、改めて、映画の解釈もすてきだなあ、大好きだなあ、と思いました。
この文章に、すべてが集約されるのかなと思います。やっぱり私は、生まれ変わりや輪廻転生というモチーフが大好きで(具体的に信じているかはまた別として)宇宙にとってちっぽけな人間が、それでも抗おうとする力強さに、胸が熱くなります。『インターステラー』然り、人智を超えた壮大な世界観のなかで、人間の命や愛に思いを馳せる、そんな作品が大好きです。
それからこの映画、特殊メイクで役者さんたちが一人何役もしているのですが、その発見も楽しい。エンドロールで答え合わせもあります〜!
以上、10作品でした。
大好きな映画はいくつもあって、でも、ここに挙げた作品は特別だなあと思います。
どなたかの目に留まり、共有できるなにかがあれば、とても嬉しいです。もしも、ここまで読んでくださった方がいたのなら、本当にありがとうございます。
これからも、素晴らしい映画との出会いがたくさんありますように。
大好きな映画たち、いつも本当にありがとう!
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