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『かがやく、どうき』

 どうきのCはおかたいが、なかなか有能な奴だ。
 落ち着いた風貌で少し地味目だが、近づいて目を凝らすと端正なのがわかる。
 その上飲み会でビールを注ぐと黄金色の泡をきめ細やかに泡立たせ皆を笑顔にする。
 お蔭でどの部署からも貸してくれとよくヘルプで呼ばれこき使われているが、その度に磨かれているので存在感は益々異彩を放っている──。

 俺もCには負けないように皆に必要とされる人間でありたい。
 俺は仏壇のじいちゃんに向かってそう決意を新たにすると、銅器(copperware)を祈るように丁寧に両手で包んだ。

 じいちゃんは鎚起銅器職人で、銅板一枚から鉄棒や金槌を使って一つ一つじっくりと丁寧にヤカンやコップ等を拵えていた。
 俺はそれを仕事用のマイカップとしていくつか持参しており、職場での打ち上げのちょい飲みにも使用しているので、その素晴らしさを皆に知ってもらえたという訳だ。

 今うちの会社ではこの銅器が一番耀いている。

                (了)


このお話はこちらの企画に参加していますφ(..)✨

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