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毒舌寿司

近所に寿司店が出来た。

食いしん坊の俺はオープン当日、早速店に向かった。数メートル先から人が並んでいて、俺は最後尾についた。

幟には『一皿100円』『採れたて、新鮮』の文字が愉しげに踊っている。

さて、何から食おうか?

俺は頭の中でシミュレーションする。

お勧めもいいが、それには注文が殺到しているだろうからやはりいつものからにするか。

そんなことを考えニヤニヤしながら順番を待ちいよいよ店内へ案内されることとなった。

しかし店員は客席をスルーして調理場へと俺を案内した。

『イラッシャイマセ!』

「なんで調理場へ案内するんだ?俺は寿司を食べに来……」

そう言い終わらないうちに三人がかりで俺を押さえつけると、口をこじ開け麻酔を打ちあっという間に舌を切り落とした……。

『毒ヲ吐クヒトノ舌ハ最高ダカラネ』

朦朧としながら再び店内へ目をやると「ヒト」ではない生物たちが皆旨そうに『ヒトタン炙り寿司』を頬張っていた。

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