“部室”の日常 - (3)「いつもの」の難易度
いろんな事情で出会い、通うようになったお店がいくつかある。その中で一番自宅から近いこのお店が、今は一番通う頻度が高い。
私の「いつもの」一杯目
「何にしますか」
「紅茶ハイ」
というやりとりをして、一杯目の紅茶ハイを注文する。
キンミヤを無糖の紅茶で割ったもの。私が撮る飲み屋での写真には、ほぼほぼこのお酒が写り込んでいる。
かなり長い間通っていて、私はこの店での一杯目はほとんど紅茶ハイしか頼まないけど、私から「いつもの」とは言わないし、言われない。
「いつもの」から見える、お店との距離感
でも、みんなに「いつもの」がないわけじゃなくて、人によっては「いつものでよいですかー?」と聞かれている人もいるし、言ってる人もいる。
飲み屋で「いつもの」というやりとりがあるということは、店員が認知しているくらい、その店によく来ている人であり、お店との距離感が近いと双方が思っているということ。
だから、ちょっと優越感を持って言っている人もいるんだと思う。
でも、「いつもの」という言葉を飲み屋で使う難易度はかなり高いと私は思う。失敗している人もたまにいる。
お客さんが「いつもの」と言ったときに、店員に「えーと、なんでしたっけ」と言われたりするとかなりかっこ悪い。そういうときはだいたい誰かと一緒に来ていて、「優越感」をアピールするために使ったりするから。
個人的には、2回3回同じ店に来た程度で「いつもの」はやめといたほうがいいと思う^^; どんなに店員と仲良くなっても。
お店側の「いつもの」の使いどころ
多分、お店側が「いつもの」を使うのはさらに難しいと思う。
「いつもの」=「優越感」と捉えるお客さんであれば、使ってあげたほうがいいと思う。でも「いつもの」をお店側に勝手に定義されてしまうのが嫌な人もいる。
おそらく私は後者で、気分によってたまーに別の飲み物からスタートすることもあるから、選択の自由をくれているんだと思う。長期間の付き合いだからわかることで、ほんとありがたいと思う。
いつも空気を読んで人によって「いつもの」の使いどころを考えているんじゃないかなと思うから、飲み屋さんってすごいと思うし、大変だと思う。
で、先日お店でやりとりを見ていたら、「いつもの」の意味合いが違う人もいると気づいた。これが今日これを書いた理由。
「いつもの」パターン1:作り方がいつもの
常連が「お茶割り」と頼んだとき、「どの焼酎を」「どのくらいの濃さで」「どのお茶で割って」つくるのかを店側が把握して、何も言わなくても出す。本人は「いつもの」とは言ってないけど、店員全員がこれを把握している、究極の「いつもの」。
グラス違いも結構ある。何も言わなくてもメガジョッキが出てくるとか、専用グラスがあるとか。
このパターン、見てるとすごく多い。
「いつもの」パターン2:「いつもの」がわからない
常連が「えーと、なんだっけ、あれをあれで割って!」と言って、「いつものですね」と店員に言われるパターン。常連が同じものを飲み続けていて、何を飲んでいるのかわからなくなっているパターンw
これも、究極の「いつもの」だと思う。
店員さんによると、このパターンもかなりあるらしい。
常連がたくさんいるお店というのは、データベースがいかにちゃんと作られているかがポイントになる。デジタル化したら結構細かいことになるよねえ。そういう配慮があるから、お店に来て安心できる。
そうか。「いつもの」って、ほんとうは「優越感」じゃなくて「安心感」を生むんだな。いつもありがとうございます。
次回は、「若いカップルの未来」について。
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