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囀る鳥は羽ばたかない 第52話 2【百目鬼についてなど】

【2023年06月04日】

「囀る鳥は羽ばたかない」52話の私的ネタバレ覚書・その2。

自分でも引くほどの長文で
感想だらだら書き連ねたけれど
アップして寝て起きて読み直したり
また52話を読み返したりしていると
感じ方考え方変わったり増えたり。
底なしだー囀る。

というわけで追記。
追記だけど元の記事に付け足すとまたさらに長くなるのがアレよねと思って別枠に。

※毎度の注意事項:
 以下がっつりネタバレ含みます。
 登場人物の心情とかストーリー解釈とかは
 あくまで個人の感想・妄想です。

******

百目鬼の深読み

まず、百目鬼はこの夜矢代を抱きたかっただろうか?
そもそも今まで「性欲処理」は指だけで済ませていたし、その先に進んだら想いを隠しきれないかもしれないから抱かないのでは、と私は思っていました。
「犯す」とは言ったものの、やっぱり指どまりのつもりだったんじゃないかと。
でも矢代が自分のために激怒したことで衝動的にキスした。
矢代に拒絶されるかと思ったら前のめりに抱きしめられた。
その先に進んでも拒否もなく自分の行為を受け入れる。
ようやく指攻めを嫌がったと思ったらまさかのおねだり。しかも名前を呼んで。

忍耐力と自制心が抑えきれなかった。
矢代の身体を開き、怒張した自分のものを突き挿れた。
全部入れただけで震えながら達する姿を見て、この人のこんな姿をこの4年間井波やほかの男たちが見てきたのかと思ったら耐えられなくなった。
怒りと嫉妬と上書き(定型文)
抑えられない感情で身体が動く。
自分が今矢代の身体をわななかせていると思うともうとめられない。
もっと激しく、もっと深く、もっと何度も。もっと。

何度もキスしていたのは自分の声を抑えるためかとも思ったりした。
よがる矢代の顔を見ていたら名前を呼んでしまいそうになるから?
想いを言葉にしてしまいそうだから?
「い く」
と喘いだ矢代にキスしたのも、矢代じゃなく自分の目と口を塞いだのかなと。
それと、自分の顔も見られたくないのかなとも。
言葉は必死でこらえてる。
それが表情に出てるならまずいと(実際出てた)
百目鬼は矢代の顔を見たがっていた。たぶんそれは今も変わらないはず。自分がこの人にこんな顔をさせてると思うと興奮するしうれしいし。
ただ、今はそれ自体百目鬼的にはまずい。
必死で演じてる今の自分を崩せない。
それでなくても気持ちよすぎるのに。

バックにしたのも「後ろがいい」と言った矢代の言葉を踏襲しただけでなく、お互いの顔が見えなくなるからかな。
果てた矢代をすぐひっくり返し、そのなまめかしい姿や顔を見ないように。自分の顔をこれ以上見られないように。
そして続けられる、4年分の上書き。
突いて突いて一番奥に出し、さらに突いて。百目鬼自身、もう止められなかったんだと思う。
矢代が気を失ってようやく止まることができたのかも。

以前なら、あるいは心が通い合っていれば、そんな状態の矢代を置いてひとりでシャワーには行かなかったはず。寄り添って、矢代が意識を取り戻すまで抱き寄せて髪なでてるとかね。
心が通い合っているなら行為の最中顔も見たいし名前も呼びたいし想いがあふれて言葉になってもいいわけだけどね?
暴走した自分に沈んでいると矢代の電話に着信。
これ井波だったら私の妄想が実現したかもねっていう妄想。
七原と仕事の話をして現実に戻り、頭も体もリセットするためにシャワーに行った、ていう感じだろうか。
リセットなんてできないと思うけど。

******

矢代の望み。

ずっとしたかった、百目鬼とのキス。
影山の時には認めたものの「歪み」と称して素直に受け入れることすらできずにいた恋情を百目鬼に対しては受け入れている。
受け入れたということは、百目鬼とまともな恋愛がしたいということ。この辺は無自覚かもしれないけれど。
恋愛偏差値底辺と言いまくってきたけど、なんせまともに向き合ったのが初めてなので、恋愛に対して40歳とは思えないほどピュアピュア。
ふたりきりになるたび、顔が近づくたび期待するのがキス。その先じゃない。
妄想もキス。あるいは佇んで自分をみつめる百目鬼。
影山を想って自慰をしていた時も、ただ泣いてるだけから始まって、その後もその日並んで歩いていた影山、微笑む影山。性的な妄想じゃなかった。
たぶん本気で惚れた相手の妄想は昔も今も恋愛初歩なのかも。
口でされていた時に浮かんだ百目鬼とその「女」の妄想もさっき見たまま、妄想ですらない。
(竜崎とのプレイの最中に妄想した「保健医と百目鬼」はパンツ脱がせてたけど、やっぱりキスなんですよね)
(「性欲処理」の初回、4年ぶりに勃った時の妄想は乳揉んでたけどあれもメインはキスかなと)

4年前とは明らかに変わった矢代の様子は今回随所に見て取れる。
キスに前向き、むしろ欲しがる。身体が離れて脱がされながらも唇を離さない。
与えられた快感をすべて受け止める。
4年ぶりのまともなセックス。
キスの最中、達した後、百目鬼をみつめる。
4年前、百目鬼が顔を見たがったように、矢代も百目鬼の顔を見たかった。
なのに百目鬼に体を返され、後ろから攻められた。
ひっくり返された時の「!?」
まだやんの!?の!?かなと初見では思ったけれど
息を切らし震えながら百目鬼を見ていたし
見つめ合わないの?顔見たいんじゃないの?
「!?」かなと。

シャワーから戻った百目鬼の第一声も
大丈夫ですか、などの気遣いではなく、仕事の話。
普通の会話をしようとしても、百目鬼が乗ってこない。

シャワーを浴びながら考えていたのは50話と同じ。
俺には優しくないけど女には優しくするんだろう。
俺にも優しかったのに。

「優しくて普通のセックス」がしたい。
以前みたいに他愛のない会話がしたい。
以前みたいに――

百目鬼が「それをしたらまた捨てられる」と思い込んでいる事柄ばかり。

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前章で私は
まずは百目鬼が矢代の今の身体を知ること、それには井波か?と書いたけど(前にも何度も書いてるけど)(井波に頼るの嫌なんだけど)
じゃあ矢代が百目鬼に女がいないことを知る術は?と考えるとこれも難問。
今更いませんと言えるかな?
言ったとして、矢代が素直に信じるかな?
(女はいない説過激派。いない前提の感想です)

女はいない、自分で処理してた。
百目鬼の女関係を探る綱川に返していた言葉。
はっ
てことは綱川経由で知るパターンもありか?
まさかの仁姫ちゃんルート!?
彼女も愛人もいないっていうアレ。

******

なにはともあれ、早くふたりに両想いになってほしいんですよ。
今回のすれ違い、ほんとにショックでしたし。
もういいでしょ、ふたりで幸せになってくれ。
絶対に『ふたりで』だ。

自分にしか反応しないと知った百目鬼も見たいし
この10年百目鬼が抱いたのは自分だけ(私調べ)と知った矢代も見たい。
ヤクザ関連は有能な部下(杉本とか)(七原は…)に任せてその情報をもとに三角サイドが何とかしてくれ。
早く、誤解を解いて両想いに!

――なんでこんなにいきなり話の方向が変わったかというと
これをちまちま綴ってる最中、
ヨネダ先生がサイン会で、
「物語は今、マラソンで言ったら30km台後半」
とおっしゃられたらしいんですね。
わりと終盤。
てことは
単純計算で9~10巻で終わると。
さ、さみしい…
でもそれならなおさら早めに両想いになって、その先を見たいという思いが暴走してまして。
見たくないですか両想いの先のいちゃいちゃ
デレる矢代、甘やかす百目鬼
一緒に筋トレするふたり


すー(息吸って
見たい!!

私は見たいぞ!

矢代も百目鬼もとてもつらそうですし
私もつらいので
早くなんらかの手段でわかりあってほしいというわけです。
そして両想いになったら、8巻特典のお話を本編で続けてほしいと本気で思っています。
まさか両想いになって終わりとかそんなこと…
いや、ない(断言)
その先も見たい。見られるはず。

※終盤でテイストが変わってしまった。
ひとえに「今30km台後半」の余波です。
ドキドキ、ふわふわが文章に出てしまった。
あとで訂正とか追加とかするかも。
でもこのひどいライブ感がへなちょこでおもしろいからこのままかも。

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