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大人が友達を作るということ

数年前まで世の中には悪い人が溢れていると思っていた。世の中とは家族・会社の外。隙あらば人を食い物にしようとする人たちばかりなのではないかと思っていた。子供の話ではなく、いい大人である私の話である。だから、元々少ない友達が、大人になるとますます少なくなった。

変わったきっかけはある資格の取得だった。資格保持者の有志が集まった任意団体が有り、その集いに参加してみたのだ。コミュニケーションというよりも、その資格の役立て方を転職などの視点で得られるのではないか?という情報収集が目的だった。でも、そこで感じたのは意外ながらも「共通の価値観を持つ安心」だった。

資格取得には勉強が必要で、様々な価値観を知る必要がある。その価値観を習得済みの人たちが集まっているので、あれこれ説明しなくても自分の事を理解してくれている安心感があったのだ。定例会が開かれているので、定期的に出席する。話をするうちに、メンバーから別の集まりに誘われたので行った。街を散歩しよう的な大義名分の元に、要はだべって遊びましょうという会だった。

資格もちの友達であり、私にとっては知らない人。おそるおそるついていったら、何者か分からない人たち。でもまあ、資格持ちのメンバーをかけ橋として何とか楽しめた。慣れてこれば、知らない人たちも、別の業界に生きているものの悪い人ではないという事が分かってきた。

友達から友達を作り、その友達から友達をつなげる。色々な価値観に慣れてきて、相手も変なら私も変。むしろその方が自然という事が分かってくる。そうなってきた時にいつの間にか友達が増えてきた。今も人見知りは治っていないけど、友達もそこそこいて有難く楽しませてもらっている。

誰だって初めての人は怖い。でも、同じ資格の保持者だったら、ある一定の価値観を共有できるし、物騒な思想を押し付けられるリスクもまあ少ないと思う。裏に、自分の望まないマルチ商法や宗教が絡むリスクもぐっと少なくなる。そんな構図に後から気付いた。

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