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猛暑の新宿で大人の人形劇を見てカムジャタンを食べた

パリオリンピックが体操で盛り上がっていた8月最初の週末、体操選手をテーマにした人形劇を観た。

チャスラフスカ 東京 1964ー伝説の選手 誕生の物語ー

60年前の東京オリンピックで活躍した、チェコスロバキア(現チェコ)の体操選手が主人公のコメディだ。

主人公のヴェラ・チャスラフスカは、東京オリンピックで個人総合、平均台、跳馬で金、団体総合で銀を獲り、「オリンピックの名花」「東京の恋人」と呼ばれて人気になった選手。

メダリストとしてだけでなく、民主化運動の支持者としても知られている人だけど、劇ではそこには触れず、彼女が金メダルを獲る様子をコミカルに描いている。

舞台では人形だけでなく人も登場する。チャスラフスカの人形を操る人が、場面によってはチャスラフスカとして芝居もする。

人形はほとんどの場面をブラウン管テレビをイメージした枠の中で演じる。
東京オリンピックは衛星放送による国際中継に成功し、「テレビオリンピック」とも呼ばれたそうだから、舞台装置も画面越しに見た競技の様子を表している。
跳馬の踏切りの瞬間がクローズアップで映される様子が表現されていたり、テレビっぽい演出も面白かった。

プーク人形劇団Instagramより(トップ画像も同様)

物語の本筋には関係ないけど、心に残ったシーンがあった。
前回大会の金メダリストであるソ連(現ウクライナ)のラリサ・ラチニナが記者から東京で観光したい場所を聞かれ、勝つために来ているから興味がないと答える。
チャスラフスカが観光している合間に、ラチニナが言葉どおりトレーニングしている様子も挿し込まれる。
努力の量と結果が必ずしも比例するわけではないのはわかっていることだけど、国の威信を背負ってひたすら練習だけをしているラチニナが負けるのがちょっと切ない。

チェコのサザエさん的存在であるシュペイブル&フルヴィーネクが会場にいた

この公演は人形劇団プークがチェコの劇団と共同で制作したものだそうだ。
チェコがハンガリー=オーストリア帝国に統治されていたころ、人形劇でだけチェコ語の使用が許されていた。
そのせいでチェコでは今でも人形劇が盛んで、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。

「人形劇」と聞くと日本では子供向けのものを連想する人が多いかもしれない。
もちろんそういう作品も多いし、この作品も子供が見ても面白いと思うけど、むしろ大人が見たほうが感じることが多いと思う。実際観客も大人のほうが多かった。

プーク人形劇場はチェコを含め海外の劇団との交流が盛んで、大人向け人形劇も時々公演している。
次の「ユビュ王」も面白そう。

舞台が終わった後はお昼ご飯へ。
せっかくの新宿なので少し足を伸ばして新大久保方面へ行ってみることにする。

途中の花園神社で見かけた巨大絵馬。1951年の飛行機旅行が無事だったことへのお礼で奉納されたらしい

暑さに負けて新大久保は諦め、東新宿の「松屋」でご飯を食べることにした。

名物のカムジャタンとチヂミを注文。
暑い夏に熱い鍋を食べるのもいい。
たっぷり食べてたっぷり喋って楽しい1日だった。

これで2人分。辛味がマイルドでおいしい
直径が50cmぐらいあっておいしいけど食べきれない

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