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新緑の京都旅行記〜琵琶湖疏水、村上隆、トロッコ列車〜

琵琶湖から運河を下って京都に行けるなんて。
デイリーポータルZの木村さんの記事で読んで以来、機会があれば乗りたいと思っていた船にようやく乗ることができた。
船だけでなく、ぎゅーぎゅーに楽しいことを詰め込んだ1日のことを書きたい。


びわ湖疏水船


琵琶湖疏水は、琵琶湖から京都へ水や物資を運ぶために明治時代に掘られた運河だ。
物資の輸送が鉄道などの陸路が中心になり、舟運は戦後間もなく途絶えていた。それを観光向けに整備し直したのが「びわ湖疏水船」だ。

観光船は春と秋に運行している。桜や紅葉が見頃の時期は人気過ぎるので、新緑の季節を選んで予約した。

前日の夜京都に泊まり、翌朝下りの便に乗るためにJRで大津に向かう。
大津駅から乗船場までは、町並みを見ながらのんびり歩いて20分ほど。京阪の三井寺駅からなら徒歩2分で行ける。

受付後待合室に入ると、自動販売機で滋賀なのに京都市の災害用備蓄飲料水を売っている。疏水関連の設備は京都市の管轄だかららしい。

説明を聞いたらいよいよ出発。
今回は大津閘門は通らないけど、将来的には琵琶湖から出航して閘門を通れるようにする予定とのこと。そうなった時にまた乗りたい。
出航場所が変わることを「ミシガンと同じとこから」と琵琶湖の観光船の名前を繰り返し強調される。滋賀の人にとっては、ミシガンと同じなことが重要なんだろうか。

乗る船は定員14名。雨が少し降っているけど、屋根があるので大丈夫。しかも透明な屋根なので頭上の景色もよく見える。

実際に乗ったのとは違うけどサイズは同じ

出航してすぐに第一トンネルに入る。
入るとすぐに出口の光が見えているので短いのかと思ったら、実際は2.4km以上あり、行っても行っても出口に着かない。

途中第一竪坑から滝のように水が降っているところを通る。透明の屋根越しに、降ってくる水と約50m上の空が見える。

アトラクション感満載で水のカーテンをくぐる

トンネルを抜けると、雨でいっそう鮮やかな新緑が両岸に見える。

トンネルの出入口や扁額は、大変きれいな状態で保たれている。復活前に疏水沿いを歩いた記事を見るとかなり苔がついた状態なので、復活後は定期的にメンテナンスされているのだろう。

入口側の扁額は文字が彫られている陰刻、出口側は文字が浮彫りになっている陽刻になっている。出入口がはっきりしているのは、鉄道などと違い出入りの方向が決まっている水路ならでは。

コースのゴールは旧御所水道ポンプ室。

船からでないと見られない角度

『ぼくらの近代建築デラックス!』によると、大正天皇の即位の礼の際、疏水を通って京都に入るプランがあったらしい。そのせいで疏水に向かってポーチがある。

ポンプ室前で船を降りてツアーは終了。
近くの水力発電所やねじりまんぽもレンガ造りでかっこいい。

「ねじり」の所以

お昼ご飯は「岡北」へ。
いつも行列してるけど、京都に行ったら並んででも絶対食べたい。今日も天とじうどんがおいしい。

村上隆 もののけ 京都


次は京都市京セラ美術館へ。
もともと村上隆のファンだったわけではないけど、テレビで見た風神雷神があまりにかわいくて、生で観たくなった。

混雑を覚悟してサイトを確認しても、日時指定予約はない様子。
会場に入ると、ガラガラではないけど混んでいると言うほど多くもなくてゆっくり観られる。
同じ場所で開催されていたジブリ展は予約が必要みたいだったから、そっちのほうが混んでいるらしい。

楽しみにしていた風神雷神だけでなく、光琳シリーズや四神もいい。
「スーパーフラット」の意味は知らないけど、琳派のデザイン性があって平面な感じにはハマって当然だったのかも。
辻惟雄に焚き付けられて描いたという曾我蕭白っぽい雲龍図も大画面で迫力があった。

かわいさは蕭白のほうが上

嵯峨野トロッコ列車


美術館を出て今日の最後の目的地・嵐山へ。

ここまでは天気のせいか聞いていたほどには人がいなかったけど、嵐山は違った。特に渡月橋の辺りは人だらけで、どの店にも行列ができている。

散策は早々にあきらめ、駅に戻って買ってきた「澤屋」の粟餅をベンチで食べる。
作ってからまだそんなに時間が経っていないので、きな粉がまだ香ばしい。

トロッコ列車の出発時間が近づいてきた。
側板や床が素通しの席なので雨が心配だったけど、小雨なので問題はなさそう。
少し待たされた後で改札が始まり、始まったと思ったら写真を撮る時間もないまま出発の時間になってしまった。
下りの便に乗ってきた人たちとの入替えがあるせいだとは思うけど、もう少しホームでゆっくりしたかった。

列車が出発するのを駅員さんたちが見送ってくれる。東京ブギウギの替え歌に合わせ、日の丸の扇子を持って歌い踊る。ここまで盛大なお見送りはそうないんじゃないだろうか。

嵐山駅を過ぎても座席に空きがある。列車に乗った後は保津川を船で下るのが人気らしいけど、時間が遅い便で船は終わってるからかもしれない。

車窓(窓はないけど)の景色を眺めているうちに、20分ほどで終点・亀岡駅に到着。

途中、JRと交差

少し歩いた先にあるJR亀岡駅から電車で市内に戻る。
ちょうどパープルサンガの試合が終わった時間だったらしく、電車の中は紫の人でいっぱいだった。

晩ご飯は「てらまち福田」へ。
ここも何を食べてもおいしい。中でも鯖寿司!
私にとっては日本一の鯖寿司。

京都に行っても普段はなかなか行かない場所を観光して、結局いつも行ってしまうお店でご飯を食べて、久しぶりの京都を堪能した。


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