「鎌倉殿の13人」最終回感想【主人公に、報いと救いの時が】
最終回翌日はたまたま仕事の休みをいただいていたのですが、熱が上がったのに汗が出ず、北条義時(黒執権)最期のように布団でのたうち回っていたので睡眠不足になり、1日グッタリしていた、ありです。ああもったいない(>_<)
皆さま書いておられる通り、「鎌倉殿~」最終回は…衝撃でした。
でも「誰にも看取られずに死んで、顔に布を掛けられた遺体の枕元で、政子・実衣さん・のえさんが死因をあれこれ語っているシーンで幕」な最期を考えていたので(最初に遺体が出てきて、回想で承久の乱やら何やらが語られ、最後に絶命シーンの再現…とさえ思っていた)、政子に看取られたのは、ある意味「救い」だったのかな…と。
今わの際の「九条廃帝(幼児)を担ぎ上げようとする者を~」は、(実際にそういうことがあったかは別として)上総介粛清時の「御家人たちが頼朝を殺して、幼い万寿(頼家)を担ぎ上げようとした」あの時のリフレインかなと思ったのですが、どうでしょうか。
冒頭の「「吾妻鏡」を読む徳川家康」、もちろん「徳川家康の愛読書のひとつが「吾妻鏡」だった」は知っていますが、まさかああいう形で出るとは( ゚Д゚)
「オリキャラの動かし方」、これは、割と本気で心配です…なんなら、そこで「どうする家康」の評価が分かれるといっても過言ではないくらい。
(「麒麟がくる」で、駒ちゃん(演・門脇麦さん)をはじめとしたオリキャラが叩かれていた記憶がよみがえる)
承久の乱は…もし「後鳥羽上皇が、直衣に大鎧姿で自分で打った太刀を佩き、輿に乗って現れ、幕府軍に弓を引くそぶり」を見せていたら、朝廷軍が勝っていたのかもしれませんね。
幕府方は、源平合戦、いやそれ以前から、武士が朝廷に翻弄されてきたのが許せなくて、だから「上皇流罪」という大挙に踏み切ったのですよね…と、「平清盛」「鎌倉殿~」を見て、一気に解像度が上がりました。
(何度もnoteで書いてきましたが)
そして、のえさんへの同情が多いのには、全く納得できない!
のえさんは、いわゆる同性が苦手なタイプの「察してちゃん(構ってちゃんとまではいかなくても)」なのに、なんで「察してくれない男が悪い」ってなるの!?都合良すぎじゃない!?
…とか思う私はモテないし、同性異性問わず味方が誰もいないんだな…
うう、小四郎に深く同情するよ…。
せめて、毒を盛る前に、せつさんが頼家に対して訴えたように「家柄とか関係なく、私を見て!政村を見て!」と言えていれば、同じ地獄でももう少し救いがあっただろうに…。
のえさんへの「救い」といえば、この後の政村の進退が泰時預かりになって、幕府の重要人物として生き延びたことでしょうか。
泰時が、母の出自で弟を処断する人間でなかったのも、また「救い」だったのでしょうね。
(下手したら、「自分の地位を脅かした異母弟」として、継母であるのえさん共々鎌倉追放になってもおかしくなかったぞ)
あるいは、黒執権は、野望むき出しののえさんをはばかって「四郎(政村)の身柄は太郎(泰時)に託す」と言えなかったのか。
さすがに、兄弟仲を蔑ろにして滅んだ源氏三代を見て、黒執権も学習しているはずでしょう…。
三浦義村(平六)の「毒酒(ウソ)の勢いで本音を告白」は、黒執権のみならず、平六も痛々しかったです。
平六の嫉妬は、黒執権本人への嫉妬のみならず、「優秀な息子がいていいよな」という妬みでもあったのだろうな。
逆に、黒執権は、自由に暗躍できる平六がうらやましくてたまらなかっただろうに。
(「おなごはキノコが好きというのはウソだ」の反応には笑いましたが)
(あと、序盤で「じじい」言われるのも)
そして、改めて黒執権最期について。
あの、シェイクスピア劇みたいな最期自体に異論は全くないのですが、「解釈違い」って、こんなにストレスなのか…というのを実感した場面でもありました。
私は、「これまで、何度も「生かされて」きてしまった黒執権が、ようやく「生かされず」に済んだ」と思っていたのですが、「自分の子を全て失った政子の復讐だ」というのが多くて、非常にゲンナリしています…。
そもそも、黒執権を「黒執権」にした原因のひとりは、政子でしょうに。
これほどまでに、視聴者が(劇中人物がじゃなく)主人公の最期に厳しいのって、しんどくてたまらないよ。
でも、とても充実した、楽しい全48回でした。
全話通して見た分の感想については、そのうち総括感想を書く予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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