本物の恋

「その人がその人だから好き」。これが本物の恋だと私は思っている。 
その人の外見が変わっても、内面が変わっても、愛するのが本物だと。
『誠の恋をするものは、みな一目で恋をする』と言ったシェイクスピアと語り明かしたいとも思う。
思い出なんて無くても。何も知らなくても。この人が好きなんだってことだけは確かなのだと感じる、それが本物の恋なんだと。

でも最近、気がついた。本物だから何だ。本物=価値がある?本当に?私が疑いなくそう思い込んでいただけ。もし価値があったとして、何になる?私は今、あたたかくて居心地の良い関係を得たいのだ。それこそが私にとって価値あるものじゃないか。

本物の剣や薔薇の棘が人を傷つけうるように、本物の恋は人を傷つけうる。実際傷ついてきたし、この恋に拘泥する限りこれからもずっと傷つくだろう。それでも剣の輝きや鋭さや冷たさ、薔薇の香りや色や咲いている様を感じ取りたいように、この恋を一番近くで感じ取りたいと、思っていたんだ。

そんな、狂ったような恋から醒める一歩手前の出来事が私を襲った。

地震。2024年1月1日に起きたあの地震。私の好きな人はかなり揺れた地域に住んでいるから、心配になった。
負担になってはいけないと考え「地震あったけど大丈夫だった?」とだけ送った。
3日経っても既読がつかない。
共通の男友達に彼の安否確認を頼んだ。無事だった。何一つ被害はなかったらしい。

よかった。ありがたい。

…ちょっとだけわがままを言うなら、安否くらいは直接知りたかった。

私の地域も揺れたけど、別にそれを心配してほしいなんて言わない。本当にそれは思い至らなかった。
でも、安否確認のLINEに対して既読くらいつけてほしかった。普段のLINEに対してはどうだっていい。生きてるかどうかくらい、答えてほしかった。

怒りというよりも悲しみ。なじるつもりはさらさらない。ただ、醒めそうだと感じる。それだけ。

そうだよ。これが彼だ。嫌いになったわけじゃない。でも、でもね、これ以上好きで居続けたらとてもしんどいだろうなと痛感したんだ。今までは生死に関わることがなくて、そこまでしんどくはなかったけど、これはちょっと、ね。手強いね。

それでも「醒めた」じゃなくて「醒める一歩手前」な私は、案外やばいやつかも。だって私に対してだけ、こうなんだもの。私以外の人にはここまで冷酷じゃないからさ。完全に嫌いにはなれないよ。

もしこれが彼の「俺を諦めさせよう大作戦」なのだとしたら、半分成功&半分失敗だ。本物の恋、舐めるなよ。
でも少し疲れたから、こんなことを書いているんだろうな。半分成功の部分だ。

本物の恋だと思って拘泥してきたけれど、相手が手強すぎる気もするし、本物の恋は唯一というわけではないのだから、別の本物の恋を見つけるのもいいかもしれない。「相手が優しいから」「私のことを大切にしてくれるから」「たくさんの時間を共に過ごしてきたから」、そんな理由で好きになる恋を経験するのもいいかも。

だって「その人がその人だから」が理由の恋は、終わりが見えなくてキツいし。

「相手が優しくなくなったから」「私のことを大切にしてくれなくなったから」で好きじゃなくなる恋は、今の恋よりも楽なのか、キツいのか。してよかったと思えるのか。
それはわからない。

わからないけれど。このまま猪突猛進したらその先は間違いなく崖で、私は谷底行きだろう。

うーむ。

大学生らしい表現をすれば
興味あって面白いし好きだけど超ムズくて単位落とすの確定な授業
or
少し興味があってだんだん面白さがわかってきていて好きかも?で単位を取れそうな授業
で悩んでるって話です。
断然後者じゃん?と言う人が多いのでしょうなぁ。私も思うもん。でも前者にも魅力を感じてしまうんだよなぁ…捨てきれないんだよなぁ…。

もう「鬼も十八」の年齢を超えてしまった。あと少しで二十歳だ。楽しい恋の一つや二つ、したい!!

というわけで、

とにかく来年の夏までにははっきりさせるぞ!と決心した。

今回はここで終わり。

時折触れるこの話題、お気に召したかたはぜひ今後ともおつきあいくださいませ。

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