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【DAY53】 「マシュマロ実験」をご存じですか?

クリスマスシーズンでもあるので、冒頭はちょっとしたサービス画像で…(笑)。

例えば「人間普段空腹時にどのくらいマシュマロを食べられるか?」とか、そういう類の実験というわけではありません。すみません。
「マシュマロテスト」なんて言い方もされるようですが、今日はその話にいたします。

「マシュマロ実験」ってナニ?

そもそも元になった実験、テストはトリニダード・トバゴで行われたものだったようです。その頃はキャンディ。マシュマロの代わりにクッキーとかプレッツェルが用いられることもあったとのことです。

有名になったのは、米国スタンフォード大学が行ったもの。ルールというか条件というか、いろいろ決めて行われたようですが、そこは端折ります。
詳しくは、こちらをご覧ください。

ごくカンタンに説明すると、こういうことになります。

スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルが50年という長期にわたって、のべ600人を対象に行った大規模な実験で、〝学内にある保育園の4歳の園児たちに、「マシュマロ1個だけ今すぐにもらう」のと「私はこの部屋からいなくなるけど、15分私が戻ってくるまでの間我慢したら、マシュマロを2個もらえる」のどちらかを選択させたものです。

子どもたちの反応はさまざまでした。

子どもらの行動は監視カメラで観察されていました。反応はじつにさまざまだったそうです。

ニオイをかぐ、なでる、じっと見つめる、目をそらす、後ろを向く、自分の髪や服をいじる、などなど、実にさまざま。まぁ、4歳の子どもたちですから、ちょっと酷な実験だったかもしれません。

映像分析の結果、見つめたり触ったりした子は、結局待てずに食べてしまったそうです。
我慢できた子どもは、目をそらしたり、後ろを向いたりして、マシュマロから注意を逸らそうとした子どもたちが多かったという傾向があり、具体的には、我慢できた子が3分の1くらいだったそうです。

結局のところわかったこと、とは…。

実験そのものは、1960年代後半から1970年代前半にわたって行われたもので、1988年に大規模な追跡調査が行われました。

その結果、わかったことを整理すると、以下の通りになります。

●就学前における自制心の有無は十数年を経た後も持続している。
●マシュマロを食べなかった子どもと食べた子どもをグループ化した場合、マシュマロを食べなかったグループが周囲から、より優秀と評価されている。
●両グループ間では、大学進学適性試験(SAT)の点数に、トータル平均210ポイントの相違が認められる。

ウォルター・ミシェルは、この実験から幼児期においては、IQよりも「自制心」の強さのほうが将来の学力に大きく影響すると結論づけました。
2011年にはさらに追跡調査が行われ、この傾向が生涯のずっと後まで継続していることが明らかにされました。

一方で、別の再現実験も行われました。

実験の対象を900人以上に増やして行われた検証もありました。
ニューヨーク大学のテイラー・ワッツと、カリフォルニア大学アーバイン校のグレッグ・ダンカン、ホアナン・カーンの共同実験です。

こちらのほうは、割と最近、2018年5月に結果が発表されました。
結論は「マシュマロ実験の結果は限定的」でした。
別に否定されたわけですないけど「そうでもない」って感じのやつですね。

再現実験は、より幅広い被験者に対して行われ、実験結果について家庭の年収などの要素も加味され、より複合的な分析が行われました。
その結果「我慢強い」ことよりも「教育や家庭環境」の要因のほうが将来の成功に対する影響はより大きいと考えられ、この考え方が遅くとも2019年末頃には主流の考え方となったようです。

私が個人的につらつら思うこと。

まぁ、どっちの実験結果も理解できます。
こういうのは、単純な話ではないですよね。いろいろな要素が複雑に絡み合ってると思います。あくまで「傾向」ということにすぎないとは思います。もちろん、そうお考えの方も多いとは思います。
思い込みとか固定観念とか、そういうのに縛られるのはよくないでしょうね。

ちなみに、この「マシュマロ実験」の結果、こういうこともわかったという記述も目にしました。それがコレ。

▶ 危険な薬物には手を出さない。
▶ 肥満指数が大幅に低い。

まぁ、「自制心」とか「我慢強さ」とか、そういう意味では、こういう傾向も当然出てはくるでしょう。

自分だったらどうだったかなぁ? と、ちょっと考えてみました。
なにせ4歳ですからね。3個もらえるなら我慢したかもしれませんが、2個だったら5分とか10分くらいで食ってたかもしれませんねぇ、オレなら…(笑)。

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