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物申す。控えめに

おれの年齢は実に中途半端だ。
気が付けば、もうすかっり若くはない。
かと言って、寿命となればまだまだ若過ぎるようだ。

世の中的には「働き盛り」と呼ばれることもあるようだが、ことおれに至っては、バリバリと働ける気力も体力も減退の一途をたどっている。
自分的には、肩の力が抜けたと思いこむ様にしているが。

そこへ持ってきてだ。最近やたらと目にする「人生100歳時代」
まるでスローガンの様なフレーズを目にするたびに、正直「マジか…」とうなだれてしまうのだ。
そんな昔の話ではなく、男性の寿命なんて70歳前半位がせいぜいだったように思う。
もし仮に今もそのくらいで推移していたら、「そろそろ仕事はラストスパート。あと一仕事、何かやってやるか!」くらいは思うかもしれない。
ところが今の社会では、後何年おれは働くことになるのか…そんな考えも浮かんでしまうのだ。

安倍さんは、継続雇用の年齢を70歳まで引き上げる方針だという。
う〜ん。確かに100歳まで生きるとするなら、70歳まで働いたとしても残り30年も残っている計算だ。でもそれは、一昔前でいえば寿命の歳でもある。

なんだろう。。書き始めたはいいが、おれは何を言いたいのだろう。
誤解を恐れずに言うなら、要するに、そんなに長生きをしたいとは思わないのだ。
だって、生きるって大変じゃないですか。

乱暴な言い方をしているので、不快に思われる方もいるかもしれない。
あくまでおれ個人において。と捉えて頂きたい。

もちろん死にたいと思っている訳ではないし、楽しいこともそれなりにある。でも、かといって先はまだまだあると言われると、途端に途方にくれるのだ。

個人的な願望で言えば、息子たちが成長し家庭を持つのを見守り、出来れば孫が小学生に上がるくらいまで見届ける。それで一丁上りくらいが良いように思ってしまう。あくまで、自分で思い描く漠然とした理想として。

更にいうなら、願わくば、死ぬ時にはポックリ逝きたい。これが何よりの望みだ。こので点では何方も異存はないかと思うのだが。

そのくらいが丁度良いと思っている方、実は結構いるんじゃなかろうか。

少し不謹慎で荒唐無稽な話かもしれないが、これから先、医学の更なる進歩により、死にたくてもなかなか死ねない時代がくるかもしれない。そのうち「死にたい時に死ねる権利法案が可決」といった見出しが新聞の一面を飾る、そんな時が来るかもしれないのだ。

そんなおれも、更に歳を重ねて行けば「まだ死ぬには若い」「もっと生きていたい」そんなふうに思うようになるかもしれない。そのことは重々承知している。なにより、これからの人生、あっという間に過ぎて行くようにも思う。

ただやはり、今のおれには、人生100歳と言われるとなんだか少し恐怖に思ってしまうのだ。

#エッセイ #寿命 #100歳 #時代 #人生

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