ラサっと女神が
こんなふうに言ってきた若い娘がいた。
「札幌って大都会ですよね!私のところなんてホント小さな街で、札幌は大都会過ぎて怖いです!」
そうか…
住んでいる者として、自分の街が大都会と思ったことはなかった。
学生時代、東京に出ていたこともあり、むしろ「程よい大きさの街」くらいの認識だった。
まあ、東京でも住んでしまえばしまったで、自分の住む街を「大都会だなぁ」などと意識などしながら暮らしてはいなかったが。大概、そんなものだろう。
どんな都会であれ、自分の暮らしにかかわる範囲、日常の中で認識できる範囲には限りがあるものだ。
だからこそ、改めて「大都会ですね」などと言われても、なんだかピンとこないのだろう。
そんなことをぼんやり考えていると、ふとある思いに至った。
自分にとっての日常は、誰かにとっての非日常なのかもしれない、と。
そんなふうに言うと少し大袈裟かもしれないけれど、人とは、日常に埋もれてしまうと案外周りが見えなくなるものだ。
僕らがこうして暮らしている今は、大なり小なり違和感はあれど、概ね平穏に思えたりする。
でなければ、毎日、生活などしていけない。
でもその暮らしは、皆が冷静に俯瞰して見られれば、かなり異常で歪な暮らしなのかもしれない。
「これって異常ですよね〜 テヘ!」
そんなことをサラリと言って、皆んなを気付かせてくれる女神が明日、現れるかもしれない。
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