〈18.カフェクラブ完了記念パーティーを開く〉

 ということで僕はハーバー大学の生徒たちに僕の教える予定だった未来メルヘンの話を全て教え、カフェクラブは最終日を迎えた。

「皆さん今日は最終日です。今日まで話を一緒にしてくれてありがとう。今日は世界中から集まった生徒たちに自分の理想の未来について夢を語ってもらいましょう。」

 イギリス人アーサーくんの未来。

「私は世界中の国々が教育立国になればいいと思う。労働生産性を上げて働く時間は減らして余った時間は教育に費やすという社会を作りたい。

 それとみんなが社会のために働くようになればいいと思う。人々が、社会のために働くことがお金になるからではなくて社会のために働くこと自体に価値を感じるといいと思う。」

 コンゴ人キングくんの未来。

「人類の多くが水道も電気もない家で暮らして自分で食べ物を獲って川で水を汲んで薪で火を焚く生活を貧しいと考える必要はないぜ。

 みんなお金を稼ぐために苦労して贅沢を求めるんじゃなくて、毎日お腹いっぱい食べれて好きな人と一緒に過ごせて笑顔で生きていけたら幸せという気持ちを持てばいいと思う。

 そして子沢山がいい」

 アーサーくんも共感した。

「白人がアフリカ人から学ぶべき点が1つあるとしたら出生率の高さだな。アフリカ人の出生率の高さは素晴らしい」

 フランス人アンさんの未来。

「世界中の人がカワイイに染まって若者が自由に夢を追い求められる社会がいいと思う。」

 アメリカ人ロリポップさんの未来。

「CSRやウィンウィンシチュエーションを使って社会責任を取ります。MMTを使ってベーシックインカムを実現するといいと思います」

 ノルウェー人ソフィーさんの未来。

「「今日何kg食べた?」じゃなく「今日何km食べた?」と言い合うような自給自足社会を望みます。

 何km食べた?というのはその食べ物が運ばれた距離を表します。つまり近くで採れたものの方がエコにいいということです。」

 中国人李さんの未来。

「AIとロボットによってSFの世界を実現する一方、文化性や人間性も大事にします」

 インド人モディさんの未来。

「中国の時代と言われるけどインドも負けてません。常識に囚われない自由な発想で社会を改革しつつ伝統文化もしっかり残します」

 日本人そう太くんの未来。

「これからはモノからコトの時代。物欲を満たす時代は終わって体験型消費をする時代です。複利で殖える仕組みを作る一方、要らないものを思い切って切り捨てる決断力も必要です。仕掛け学のようにローテクを使った社会問題の解決をするといいと思います」

 インドネシアバリ人アデさんの未来。

「これからは食料生産の時代です。若い内は睡眠を削ってでも働いて、縁を大切にして助け合い、苦楽を共にする仲間を作り、孤独な人がいなくなるようにして、何でも本音で語り合い、人に尽くし子どもを沢山産んで、伝統を大切にして、無駄な贅沢をせず、いつも笑顔を絶やさないことが大事です」

 テキサス州出身クリスさんの未来。

「私は個人的な理由でプレアデスを研究しています。実はプレアデスが僕の母星だと感じてるんです。星は夜道の道しるべです。

 キリスト教徒だけにとって大切なクリスマスと違って冬至は人類全員にとって重要な日です。古いしきたりで作られた年中行事をやめて、クリスマスは冬至に祝うといった自然の本来のリズムに帰って生きることが大切です」

 カリフォルニア出身ケイティさんの未来。

「一夫一婦制をやめて、LGBTQを認めて、服装のタブーも失くして、裸で街を歩いても自由、親子の恋や教師と生徒の恋も自由になればいいなと思います」

 最年長アメリカ人トーマスさんの未来。

「誰もがオーナー社長になりアメリカンドリームを夢見ることが出来る社会を望みます。常識に囚われず、人の意見を鵜呑みにせず、疑問を持つことを忘れず、何にでも挑戦する大人になってほしい」

 ドイツ人マルクさんの未来。

「VR(バーチャルリアリティー)を利用してSDGsを実現し、それから資本主義の競争原理を利用してCO²削減をすべきです。

 そのために全世界の人が心を1つにすべきです。そこでまず、ここにいる全員が意見を統一させるまで話し合いましょう。」

 アンジュちゃんは共感した。

「私もその意見に賛成。全員が意見を統一させるまで話し合いをやめないということならいつまでもカフェクラブを続ける口実になるから」

 まほろちゃんはこうまとめた。

「どんな意見を持っててもいいからみんながお互いを認め合う世の中になればいいな」

 ハーバー大学編終わり

 ニューヨーク編につづく

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