台湾セミコンダクター、第1四半期は好調もチップ市場の成長への警戒感から下落、AI需要で第2四半期は明るい見通し

台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング（TSM）の株価は、C.C.ウェイCEOが2024年の半導体市場全体の成長について警告を発したものの、同社が2024年はTSMにとって健全な成長の年になると予想していることを指摘したため、木曜日に約5％下落した。
台湾に本社を置くTSMの第1四半期決算は予想を上回り、第2四半期の収益見通しも予想を上回ると見られている。
第1四半期の売上高は前年同期比12.9％増の188億7,000万ドル（5,926億4,000万台湾ドル、前年同期比16.5％増）となった。米国預託証券（ADR）1枚当たりのEPSは1.38ドル（2023年第1四半期は1.31ドル）だった。トップライン、ボトムラインともにアナリストの予想を上回った。純利益は前年同期比8.9％増の2,254億9,000万台湾ドルとなった。
売上高（米ドルベース）は3.8％減少し、196億2,000万ドルとなった2023年第4四半期と比較した。今月初め、TSMは第1四半期の売上高を発表した。
TSMのウェンデル・ホアン上級副社長兼CFOはプレスリリースの中で、「第1四半期の事業はスマートフォンの季節性の影響を受けたが、HPC関連の継続的な需要によって一部相殺された」と述べた。
アップル（AAPL）、エヌビディア（NVDA）、AMD（AMD）など世界最大級のハイテク企業向けにチップを生産するTSMは、人工知能（AI）アプリケーションで使用される半導体の需要が増加している。

今後の見通し
TSMのC. C. ウェイ CEOは、2024年の半導体市場全体の成長について警告を発している。
「2024年の半導体市場全体（メモリを除く）は前年比約10%増、ファウンドリー業界の成長率は10%台半ばから後半になるとの予測を下方修正した。とはいえ、2024年はTSMCにとって健全な成長の年になると引き続き期待している」とウェイCEOは同社の電話会議で述べた。
一方、ウェンデル・ホァンCFOは電話会議で、2024年の設備投資について280億～320億ドルの見通しを維持していると述べた。資本予算のうち70%から80%は先端プロセス技術に、約10%から20%は特殊技術に、約10%は先端パッケージング、テスト、マスク製造などに充てられるとホァン氏は指摘した。
TSMは引き続き、2024年通年の売上高は米ドルベースで20%台前半から半ばの増加を見込んでいる。第 2 四半期の売上高は、コンセンサス予想が 190.8 億ドルであるのに対し、TSM は 196 億ドルから 204 億ドルになると予想している。
ウェンデル・ホァンCFOはプレスリリースの中で、「2024年第2四半期に向けて、当社の事業は業界をリードする3nmおよび5nm技術に対する旺盛な需要に支えられ、スマートフォンの継続的な季節性により一部相殺されると予想している」と述べた。同社は2025年最終四半期に次世代2nmチップの量産を開始すると述べた。
また、同社の車載用プラットフォームは、以前は増加すると予想していたが、今年は減少するとホアン氏は指摘した。

テクノロジー別売上高
TSMは、2024年第1四半期のウェーハ総売上高に占める3nmプロセス技術の寄与は9%（前年同期は0%）であったが、15%であった2023年第4四半期と比較すると減少していると指摘した。
一方、7nmのウェーハ総売上高に占める割合は、前年同期が20％、23年第4四半期が17％であったのに対し、第1四半期は19％であった。5nmプロセス技術のウェーハ総売上高に占める割合は、前年同期が31％、2023年第4四半期が35％であったのに対し、第1四半期は37％であった。
アドバンスト・テクノロジー（7nm以下）はウェーハ総売上の65%を占めた。

プラットフォーム別売上高
ハイパフォーマンス・コンピューティング（HPC）は純収入の 46%を占め、前年同期は 44%、2023 年第 4 四半期は 43%であった。スマートフォンは純収入の38%を占め、前年同期の34%より高いが、2023年第4四半期の43%より低い。

地域別売上高
TSMにとって売上高第2位の市場である中国からの売上高は、第1四半期の純売上高全体の9％を占め、前年同期の15％、2023年第4四半期の11％から減少した。北米は引き続き最大の市場であり、純収入全体の69％を占めた（前年同期は63％、2023年第4四半期は72％）。

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