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NASDAQのCFTCポジション報告 9月29日付け その他投資家はショートカバー

 先週NASDAQの先物市場で、その他投資家のカテゴリーでショート・ポジションが大きくなっていましたが、今週(9月29日付け)では、そのショート・ポジションは買い戻されていました。
 その他投資家のオプションも含んだショートは、20万枚から12.5万枚になっています全ての投資家のオープン・インタレストが30万枚ですから、市場へのインパクトはまだ相当大きいままです。その他投資家のネット・ポジションは11万枚のショートとなっています。
 その他投資家に所属する投資家種別ですが、事業法人、中央銀行、小規模銀行、住宅ローンのオリジネーター、信用組合、および他の3つのカテゴリーに割り当てられていないその他の報告可能なトレーダーです。中央銀行や中小金融機関はNASDAQ株のヘッジはしません。普通に考えると事業法人が先物売りを行ったと言えるでしょう。


投資家種別のポジション一覧 NASDAQ100指数先物

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 参考までに、旧フォーマットで見てみると、非商業・投機筋のショート・ポジションもショートカバーしています。

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 引き続き、この事業法人はNASDAQ先物のショートを増やしていたようですが、9月末に向けてショートカバーしたようです。他のカテゴリー(アセット・マネージャーやレバレッジ・マネー)はロングを増やしています。ディーラーはその他投資家に売り向かったのか若干ロングを減らしています。このショート・ポジションの積み増しが9月前半の株価を抑えていた要因の一つでしょう。逆に言えば、ほとんどの投資家がロングを増やしている状況であれば、この事業法人の売りが一巡しているとすると、株価は底を打ち上昇し始めているのかもしれません。

この先のこの事業法人の行動シナリオ
 今のNASDAQショートのポジションは12月限月の先物です。さすがにギリギリまで保有して現引きすることはないでしょう。11月には、アメリカの大統領選挙も控えています。基本的には、大統領選挙前の価格変動リスクをヘッジしたというところでしょう。この先の投資行動について考えてみました。

①先物ポジションを買い戻す+現物株は若干売却:可能性50%
 相場への影響はニュートラルですが、若干ネガティブな影響となります。
②先物のポジションだけ買い戻す:可能性25%
 大統領選挙後の株価の方向次第では、先物だけ買い戻す可能性もあります。相場への影響は、ポジティブです。ある意味ショートスクイーズとなるでしょう。
③ショートをロールする 可能性:15%
 12月限月を買い戻して、3月限月を売る。相場への影響はニュートラルです。すでにショートなので、相場への影響はないでしょう。
④さらにショートを積み増す 可能性:5%
 もう一度ショートを増やす可能性もありますが、先物を売るということは現物を保有したままということです。そのような状況では現物株を売る方が先となるでしょう。相場は下落局面の状況でしょう。
⑤他の投資戦略を行う 可能性:5%
 例えば、コールスプレッドの買い(ATMの買い+10%OTMの売り:11月限か1月限)など、若干ブルめな投資行動を行う可能性もありますが、基本大統領選挙前に大きく動くことはないと思います。

 コロナの第2波が押し寄せているなか、議会の対立から追加の経済対策が打ち出せないので、株価を大きく押し上げる要因は少ないです。大統領選挙の後は、不安要因がなくなり、FRBの超々金融緩和策の継続でブルブルの流動性相場は続くと思っています。NASDAQはじめアメリカ株価は9月中は若干調整しましたが、調整もいったん終わったようです。大統領選後の動きに期待です。

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