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企画室にて 室長との対話:3つの軸を考えるのが難しい

ある日の室員の頭の中

3つの軸を使って考えることを室長が良く説明されるが、立体的になると混乱してしまう・・・この立体がどうなることを目指すとか、2つではなく、3つのことを念頭に置き、考えるということが大切ということで、平面や立体などの形にとらわれる必要はないのか。
何を重視するか、というような思考をする際に、3つの視点で考えることはある。例えば転職だと、仕事内容、給与形態、勤続場所とか、家電購入のときだと、欲しい機能の高さ、使う手間の少なさ、価格とか、、何かを考えるときは3つくらい軸があるように思う。これの延長で、考えればよいのか?

🐱室長から
時間のように、誰もが同じ長さを共有できるものを「軸」に置くと、過去・現在・未来と連続して繋がっていく事が理解できます。次に時間と共に変化していくもの、更にそれが時間に対する変化を考えることが必要なもの、言ってみれば時間と相関関係にあるとか、因果関係にあるとかの、変化量を時間に対して軸にとってみると、時間に対する変化が見えてきます。未来予測などはグラフの延長で見るということが行われますでしょ。これはとても解り易い。時間に対する積分だったり微分だったりが見えてくる。それが経済的価値をどれだけ生んだのか、昨年とどれだけ変わったのかなどが見えてくる。

それに対してもう一軸加えて三次元空間を軸で表現してみる。時間ともう一つの軸とが作り出す平面がどれだけ変化していくのかを見ることが出来る。軸の取り方は因果関係が無いものを選ばないといけないところが難しいですけどね。浄水器のフィルターは水を使った量で劣化します。同じ水質であれば時間に対して一定に劣化する。もう一軸に水質の良し悪しを置いてみると、フィルターを使うならどんなフィルターでないとサブスク貧乏に陥るとか見えてくる。3軸を置きたいから置くのでは無くて、読み取りたい事項を3軸で検討したいから3軸を採用するのです。4軸、5軸となっていくと、空間的イメージを作り難いので3軸で止めています。

室員 思考中

軸の因果関係・・・。家電購入の例だと、欲しい機能の高さ、使う手間の少なさ、価格とかと挙げたけど、欲しい機能の高さと価格は因果関係がありそうだが、使う手間の少なさは、価格と、欲しい機能の高さとの因果関係は作りにくそう。欲しい機能の高さと、使う手間の少なさは、因果関係を自分で考えられそう。価格は、自分の意思で決められたものではないので軸に入れるのは、困難。
「使う手間の少なさ」を分解して、「手入れの複雑さ」と「必要消耗品購入量」などにしたらよいのか?
軸はそれ以上分解できないこととしたらよいのか?
それ以上分解できないってどういう状態は、単位を付けられる軸ということか?
「手入れの複雑さ」だと、1日単位で確認しなくてはならない箇所とか、10日に1回確認するという確認の頻度か。

🐱室長から
欲しいという感情が何故沸き上がったのかから考えてみましょう。何らかのことが気になっている。もっとこうあれば良いのに!と欲求が喚起された。それを満たす機器が市場に存在することを知り、自ら感じた「こうしたい!」欲求を抱いている者が他にもいらっしゃって、であるならば「これを導入する価値はありそうだ」と自宅導入を検討し始めた。購入行動は購入後にどれだけ投資に見合った、そして見合った以上の働きをしてくれるかでリアルな行動となります。投資は機械が有効に働いてくれると考えられる期間におけるサブスク代金も含まれます。装置寿命が尽きるまでにどれだけ投資が必要になるかと言うことです。ここまでが「購入したことにより獲得できる幸せ」となり、購入したことにより獲得できる価値となります。これが軸によって構成される空間において最大値となるように思考されるでしょう。

そのベクトルを分解してみましょう。軸をどのように考えるかということですよね。軸の因果関係ということですが、幸せが何から成り立つのかを考えるのですが、軸が生み出す空間に「価値観と共鳴する幸せのベクトル」が存在することになります。そのベクトルを構成する要素が軸となります。軸同士に相関関係を持たせてしまうと、購入判断にはその座標空間は活用できません。例えば「どれだけの寿命があるのか」ということと「その寿命の間にサブスクを支払う」とを軸に取ってしまうと、寿命が延びればサブスク代金も大きくなるという当たり前の関係となって、幸せベクトルに対して足し算と引き算が混じった軸となってしまいます。

最初に戻りますが「欲しいという感情が沸き上がったのは何故?」を定量的に思考するところから始めねばなりません。感情が沸き上がったのは、どんな未来を獲得したくなったのかという「未来の状態の獲得」であって、今の不具合解決とは別次元で考えるべきです。他の人が白物家電、三種の神器を持っているから私も欲しい!という時代では御座いません。家電購入の理由は人それぞれです。家電を購入する理由づけにおいて、軸構成は属人性があります。購入した商材は自分をどんな未来にいざなってくれるのか。5W1Hで考えて、幸せをイメージ出来たところから軸構成を作り込みます。

面白い事に、商材を購入する理由は人それぞれかもしれませんが、千差万別ということになることは稀です。こんな場合にはこんな商材が欲しくなる筈というマーケティングの結果、商材として出てきていますので、座標軸分解は一般解探査にも繋がります。当たる商材構築の裏にあるのが価値ベクトルを最大に描ける軸空間作りですので、座標軸を決定することはMOT2.0の神髄とも言えます。「欲しいという感情が沸き上がったのは何故?」をお示し頂けますでしょうか?

室員混乱

混乱してきた・・・

もう少し気軽に考えて、なぜそれを購入したいと思ったのか、から考えればよいのかのかな?
例えば、自動掃除機を買い替えると想定すると、静音で、定期的な消耗品の交換などの手間が少なく、床の配線を回避してくれる、自動掃除機がこのくらいの価格だったら買い替えるのだけどな、、と考える。
この場合、静音の定義は朝2階で寝てるときに1階で動いていても気が付かない、消耗品は1月1回とか、配線は数値がむつかしい、、、。こんな感じかな?
またどんな自動掃除機が欲しいか、ということだと、壁掃除、階段も上がって掃除する、つまり平面ではなく、空間を掃除してくれる掃除機、、、ああ、、夢が広がり、発散しすぎた・・・
究極の自動掃除機は何かを考えだすと、自分が究極の自動掃除機が欲しいのか、単に買い替えたいのかで、軸が変わってくるような気がする

室員の思考混乱は続く・・・

🐱室長から
素晴らしい気付きに到達して頂きました!究極!汚れない住まいですかね。それはさておき、項目を挙げて頂けました。有難うございます。

技術と技術が生み出す価値(技術価値とさせて頂きます)とに分けてみましょう。
技術 静音・・階の異なる場での動作に気が付かないを実現する
技術価値 睡眠時間を獲得できる

技術 床の配線を回避してくれる
技術価値 生活における便利空間を自在に創造できる

技術 消耗品の定期的交換が気にならない
技術価値 無意識に交換できる(究極には消耗材が無い)

睡眠時間の獲得と起きている時に獲得できる自由(掃除機の行動を意識しないで活動できる)とは「生活において掃除活動を意識しない」という自由の獲得と捉えることが出来ます。これは時間は勿論ですが、個人の価値観という精神世界の次元ですので無次元であり、単に時間軸とおけます。ここが時間軸の困難さで、時間軸に隠された無次元単位を考えねばなりません。
消耗材の無意識に交換できるは「掃除活動を意識する」点において、自由の獲得とは独立した軸に成ります。清潔空間の獲得となり、面積の次元が含まれます。
議論の結果出てくる3軸は、価格ー自由の獲得価値ー清潔空間獲得価値の三軸となります。

室員 ひらめきそう!

ちょっとわかったような気がする
やはり究極は何?ということと、どういう生活をしたいのか?から考える、バックキャスティングなのですね。
バックキャスティング思考、体得できそう!