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手仕事の日本

経営者としてビジョンを抱き、自社ならではの中核機能を活用することによって、ビジョンに共鳴する顧客と共に『具体的ビジョンに到達するために必須の中核能力』を描き、更に、それらを支える開発するべき要素技術を思考することについて語ってきた。

柳宗悦書「手仕事の日本」に見られるように、我が国では、地域の地政学的特徴に逆らわず、更に活かし、得られる生活を最大限、コミュニティーの幸せに繋げるモノづくりが成されていた。それこそが文化であり、廃れ滅びてしまった道具も多いが、この瞬間に「化石資源の使用停止」となった瞬間に、道具的にはその時代に戻るしかないことを忘れてはなるまい。いや、戻ることが出来ると考えるべきかもしれない。

極端な事例を持ち出したが、マスプロダクションにおける経済活動が、多くの雇用を生み出してきたことは事実であり、それは国際的なプレゼンスがあった時代においては外貨獲得の能力の源泉であった。如何に安く買って頂き、如何に長く快適に使って頂くかを指標として技術の向上と工程の削減を徹底的に実現してきた。「手仕事の日本」の重厚長大産業における実践と言っても良い。生産している商材を、如何に安く、機能を高くすることに注力した結果、「今、存在していない技術の構築」への取り組みが希薄になった。