見出し画像

脱「良品・廉価・短納期」

当然のことながら、バックキャスティングは「納期」を基準としたものでは無い。それはフォアキャスティングそのものであって、外部から与えられたものである。バックキャスティングの基準は自らが社会に価値として受け取って頂きたい究極の状態における、自らの機能を最大限に発揮している素晴らしい状態である。

社会と共に成長を続ける状態をイメージしなければならない。その時、御社はどんな状態にあるのか。それがビジョンであるべきだし、そこがバックキャスティングの起点である。自社の内面から湧き上がる「まだ到達していないが、必ずやそこに到達したいと全員で願うことが出来る気持ち」の到達点がビジョンである。ビジョンがそのように素晴らしいからこそ、新しい技術を作りこみ、また、他との共創も視野に入れながら、何を成すべきかが見えてくるのだ。それがバックキャスティング思考を成している状態である。

自らが「こうありたい」を想い、あの人に「こんな素晴らしい世界で活動して欲しい」と願う。その場に自社がどのように関わることが出来るのか。自社が最も輝ける場をイメージして、その素晴らしい場を他社と創り上げる。自社の他律機能を最大限発揮しながら、新たな機能を獲得していく。その「新たな機能」の役割を創り上げる為に、未来から思考していく。今の改良・改善で価格競争に挑むのではない。バックキャスティング思考は脱価格競争の思考の獲得でもある。脱「良品・廉価・短納期」を目指さねばならない。