きずいっぱい

正午まで寝坊した日は現時刻半年遅く生まれた私

気づかないうちに創を作っていることがよくある。
まるんぴか な、わたし
痛いとこはみつからない
ぜーんぶよくうごく
ご機嫌なクリーム色の球体だ けども
気づかないうちに。
ふろにはいって
もうちょっと古くなった瘡蓋、とか
消えかけの青あざ なんかが見つかる。
いつのまにできたのか
いつのまに癒ったのか
キズは カッコいい。
目の前のおんなのこ
指の水掻きのところに黒い痕がある。
やけどかな なにか
熱い油がかかってしまったのか、
それはきっと彼女の昔話。
カッコいいな、キズ
彼女はもう傷を包摂している。
彼女だけの傷。
物語となった傷も、
物語とはならない傷も、
たとえば寒いと浮かび上がる
私の脚の痣たちなんかは。
生々しい傷だった頃のみんなたち、
ぜーんぶ内側に巻き込んで
私が見えない創たちも
身体が見ていてくれた。
今までのキズもこれからの傷も
ようこそ、入れて、まるんぴかな私になっている。

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