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本のリレーと親子ミュニケーション。
一つ、子育てで成功したことがあるとしたら、それは娘を本好きにしたことだと思う。
特別なことはしていない。
ただ、物心ついたときぐらいから本屋にはよく連れていった。
自由に本を読ませ、本人が気にいった本を1冊買ってあげた。
それがどんな本であれ、親は一切介入しなかった。
自由に選ばせた。
ただそれだけ。
今では娘からよく本屋に行きたいというようになった。
娘にとって本屋は自分が自由に選んで良い場所で、大好きな文房具や本がたくさん並ぶ、大好きな場所だ。
相変わらず本屋にいけば家族全員がバラバラに動く。
「1時間後、ここで」
待ち合わせの場所は子供用の本が並ぶ場所、娘がよく本を選んでいた所。
12歳になった今、娘が本を選ぶ場所はそこではなくなったけど、小学生になったころからずっと決まって待ち合わせは変わらずこの場所である。
娘がスマホを持つとき1つだけ条件をつけた。
スマホを持たせるとき、世間一般にはさまざまな厳しいルールが与えられると思うが、我が家がつけた条件は1つ。
「月に2冊は本を読んで、その感想を端的に述べる、または書くこと。」
親としてはスマホへの依存はできるだけ減らしたい。
本も読んで欲しい。
娘は本を読むことは苦ではない。
本を読めばスマホは寝る時間まで自由に使える。
これぞwinwinな条件ではないだろうか。
最近は娘の方から私に「これ読んでみて、感想聞かせて」と本を渡されることが増えた。
そして、私も「これ面白かったから、今月の課題図書で読んでみたら?」などといって本を渡している。
そしてお互いに本の感想を述べながら、相手がどのように考えているのかを知る。
本がリレーされながら、親子の会話を生んでいる。
そして、本が娘の生きる世界を教えてくれる。
以前、「娘のトリセツ」という本の中で娘とのコミュニケーションの方法は「5W1H」を避けるように会話することだと紹介したが、
「いつ、どこで、何を、どんなふうに、誰と」と問題解決型の会話の切り出し方は、父親と会話する「ウザさ」の原因になるということであった。
最近は本を介して娘のことがより深く理解できるようになったからか、以前よりもうまくコミュニケーションが取れているように思う。
本に限らず、一緒にゲームしたり、スポーツを楽しんでみたり、言葉を介さずにも相手の考えを推し量ることはできる。
むしろ、色々と聞き出そうとするよりもスマートなんじゃないかと思う。
子供の興味を作ること。
その第一段階をクリアしたら、その興味を親も楽しむこと。
親子ミュニケーションにとって一番大切なことなのかもしれない。
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