『Blue Period.』

青の時代に終止符を。

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こんにちは。

二日です。

今回から時々自分の作品の話もしていこうかなぁと思います。

今回は『Blue Period.』という作品。一応タイトルの「.(ピリオド)」は赤色です。

この作品は、今年の3月に大学の写真部のOB展(私が所属していた写真部は3回生で引退なので、4回生からOBとしての扱いになります)があり、その時に出した作品です。

タイトルの「Blue Period (= 青の時代)」は、画家のピカソが青を基調とした絵をたくさん書いていた時期を指す言葉で、ピカソの20代前半あたりの時期になります。この時期のピカソは精神的に不安定な時期だったそうで、その精神状態が「青」という色に表れていると言われています。この言葉を由来にしているのが、僕が好きな漫画「ブルーピリオド」です。「ブルーピリオド」では、若者が苦悩や葛藤を抱く時期を、ピカソの「青の時代」に重ねています。思えば私の大学4年間は、悩みに満ちていた、というほどではないにしても、それまでの人生の内で、悩むことが1番多かった期間でした(それまでが何も考えなさ過ぎていたというのもありますが)。つまり、この大学4年間は、私にとっての「青の時代」でした。ですが、そんな大学生活にも終わりが訪れ、私が抱いていた悩みもある程度解消され、「青の時代」に「period (=終止符)」が打たれたのだと感じたので「私の青の時代の終わり」をテーマにしようというのがきっかけで、この作品の構想を練りました。

この作品は、4枚で1組の作品で、左から1〜3番目は、「青い」空を背景として、「青い」ものばかりを身につけた人の写真で、4番目の写真には人は写っておらず、海に沈む「赤い」夕日のみが写っています。3つの「青い」写真は、私の実感も含め、若い人が抱く悩みをテーマに撮った写真で、「青の時代」を表現している部分です。「赤い」写真は、夕日の丸い形を「. (ピリオド)」に見立てています。「. (ピリオド)」を「赤い」写真にしたのには理由があって、本作の主題にした「青の時代」は、ヨーロッパの画家であるピカソに関係する言葉ですが、日本では、若い時を表す言葉として「青春」という言葉がよく使われます。「青春」にも「青」という色を表す言葉が含まれていますが、この言葉は元々中国の陰陽五行思想というものが由来の言葉で、ライフステージを表す言葉だそうで、青年期(ここにも「青」が含まれていますね)を指す「青春」から始まり、「朱夏」、「白秋」、「玄冬」と続いていきます。今回「青の時代」に打つ「終止符」を考えた時に、「青春」の次、「朱夏」から、「赤い」終止符を打つことで、「青の時代の終わり」と共に「次の段階に進んで行くこと」のようなものを表現できると思い、作中で「. (ピリオド)」を表現するのに「赤い」夕日の写真にしようと考えました。

ちなみにここまで作品案を考えてから思い出したのですが、ピカソは「青の時代」の後、赤やオレンジなどの明るい色を使ったり、明るいモチーフを描くことが増えていきます。そのころの時期を「薔薇色の時代」と言い、ここでも「青」の次は「赤」という構図になっています。

この作品を出展したのはサークルのOB展で、いわゆる卒展というものは去年サークルの現役生だった時に行った展示を指すことになります。ですが、大学を卒業する年の3月に出す作品として、自分の1つの区切りとして、この作品は出したいなぁと半年くらい考えていて、今回形にできてよかったなぁと思います。ただ正直なところ、1人で構想を練っていたときのイメージと、出来上がりとで、思っていた感じと少し違うなぁと感じた部分もあったので、自分のイメージを形にする難しさを改めて実感しました。

この作品についての話はこんな感じです。なんか自分では結構色々込めていたつもりだったのですが、文字にしてみると意外とそうでもないですね。まぁ写真作品において、どのくらい意味やコンセプトを持たせるべきかというのは、いつも悩むところなのですが。あとは、意自分が込めた意味の重さに負けないくらいの、綺麗さが伴っているような写真が撮れるように、意識していたいなと思っています。

さて、時々こんな感じで私の作品の話ができれば良いなと思っています。大学時代に展示会に出した作品や、これから制作するものについても、自分の思考の整理という意味でも紹介させていただきます。

今回もお付き合い頂き、ありがとうございました。

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