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F1昇格まで後40分、しながわFP白方秀和「想定外はなかった」

 昨シーズンと同じく、Fリーグ・ディビジョン1最下位ボアルース長野、Fリーグ・ディビジョン2優勝のしながわシティという構図で行われているF1・F2入れ替え戦。2月12日の初戦では、しながわシティが4-1と3点差をつけて長野に勝利した。

 しながわにとって、悲願のF1昇格まで残り40分。初めてF2を優勝した2021年は、当初Fリーグ側から認められると口約束をされていたクラブライセンスが交付されないことを、全日本フットサル選手権優勝のロッカールームで知らされることになり、入れ替え戦自体も行われなかった。F2連覇を果たした昨年は、初戦で長野に2-1で勝利して、2戦目も途中まで2点をリードしながら逆転負けを喫し、2試合合計4-4となり、レギュレーションによって長野のF1残留となった。

 クラブとして、豊富な資金力を持つしながわのF1昇格は、日本フットサル界の起爆剤になることが期待されている。名古屋オーシャンズ1強時代に終止符を打つ可能性が、最も高いクラブと見られているからだ。2020年にはフットサル日本代表にも選ばれていたFP白方秀和も、バサジィ大分との契約が満了になった後、F2の舞台を戦うしながわシティに移籍して、このチームでキャプテンマークを巻いてきた。

 昨年の入れ替え戦後の記者会見では号泣し、「神様がいるなら絶対に僕らは昇格できると思っていた」と涙ながらに語ったキャプテンは、この試合でも先制ゴールを決めた。圧倒的に攻めながらも、なかなか2点目が入らない展開のなか、第2ピリオドには今シーズン加入したFPチアゴが個の力を示して2ゴールを加えてチームにリードをもたらした。

 試合終盤には長野がパワープレーを仕掛けてきたなか、選手交代を行って運動量を落とさずに数的優位を作ってくる相手の攻撃を凌いだ。試合後の記者会見で岡山孝介監督は、「昨年の6月くらいから、ずっと全員で(パワープレーの守備を)練習していた。今は誰でも行ける」と、前回の入れ替え戦で出た課題に取り組んできた成果に胸を張った。

 しながわにとって、そこに所属する一人ひとりにとって、悲願のF1昇格まで、あと40分。初戦を終えた直後、白方に話を聞いた。

――初戦を4-1で終えました。昨年の入れ替え戦でも一度はあった「3点リード」という状況ですね。

白方 そうですね。去年は初戦を2-1と1点差で勝って、2戦目の前半で2-0とリードしていたので2試合合計で4-1というところから、4-4に持ち込まれましたね。

――先ほど記者会見で監督も「1年間の積み上げ」の話をしていましたが、やはりクラブが獲得したチアゴの存在は、この試合でも大きかったと思います。一緒にやっていて、苦しい時にボールを預けられるピヴォ、個で点を取れる選手の存在について、この舞台でどう感じましたか?

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