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ニヤニヤの止まらないFP平田マサノリ、FP皆本晃を完璧に振り切ったゴールを解説「珍しく、冷静でしたね(笑)」

 今シーズンのFリーグ・ディビジョン1の優勝チームを決めるプレーオフ決勝。名古屋オーシャンズのFP吉川智貴、GK篠田龍馬は、口をそろえて「初戦に勝てた記憶が1回か、2回くらいしかない」と振り返ったが、彼らにとって2月18日の初戦は鬼門だった。

 1月末のリーグ戦で、立川に敗れていた名古屋は十分に対策を練って、この試合を迎えた。そして第1ピリオド16分、先制ゴールを挙げたのは、FP平田ネトアントニオマサノリだった。右サイドでFPアルトゥール・オリベイラからボールを受けた平田は、背後に元日本代表FP皆本晃を背負っていた。ここで平田は皆本を食いつかせて、見事に入れ替わると、ボールを皆本の届かないサイドライン際に逃がしながら右足を振りぬき、先制ゴールを決めた。結果的に、相手の守備の要を攻略して決めた平田の先制ゴールにより、堅守が売りの立川は前に出ないといけない状況となり、名古屋はカウンターから追加点を決めていった。

 昨年、フットサル日本代表が優勝したAFCフットサルアジアカップ・クウェート2022では、守備面でチームに貢献できたものの、得点を挙げることができなかった。しかし、チームのタイトルがかかった重要なプレーオフ決勝の初戦で、見事に先制点をマーク。さらに第2ピリオド20分にも持ち味の守備で相手のボールを奪い、FP吉川智貴のゴールをお膳立てした。

 試合後のミックスゾーンで多くの記者に囲まれた平田は、珍しくニヤニヤが止まらなかった。勝った試合の後でも、自分のパフォーマンスに手応えを感じられなかった試合では、厳しい表情をすることが少なくなかった。それだけ今日の試合は、良い感触を得られたのだろう。

 そんな平田の試合後のコメントを紹介する。

――固い試合で先制点が大きかったと思いますが、どういう気持ちでしたか?

平田 先制点は欲しかったので。でも、入るまで結構、うちがリズムよくて、特にこっちのセットは、誰が決めてもおかしくない状態でした。たまたま僕が決めて、そこから流れに乗れて良かったかなと思います。

――前の試合を含め、前線の守備が平田選手のところで機能して、得点につながりました。

平田 特にそんなに何かがあるわけではなくて、雰囲気です。吉川とか、アンドレシートが、うまい具合に追い込んでくれて、アルトゥールがピヴォをつぶしてくれれば、自然と余るのが僕なので。たまたま、そこで取れたのかなと思います。

――だいぶハマっていた印象です。

平田 そうですね。でも、そんなに狙っているとかはなくて、普通に見てという感じです。

――一般的には、ピヴォがコースを限定して後ろが合わせていく形だと思うんですが、平田選手は逆に後ろがハマッたと感じたら相手を追い込みにいっているんですか?

平田 そうですね。僕はそうですね。果たしてそれが正しいのかわかりませんが(笑)。後ろが「いけ!」って言ってくれたら、そうしたら行けばいいじゃないですか? って思っています。

――代表でもあのプレスは日本の武器になっていました。

平田 あれはどうしても後ろがつぶしてくれていないとできないので。後ろが「いけ!」と言ってくれれば、あとは追いかけます。背後は見ていますし、GKからも声が聞こえますし、今日はずっとアルトゥールから「こっち切って」という声が聞こえていたので、そうなったらプレスはかけやすいです。その声の通りに切って、そのまま追い込んでいくイメージです。

――3点目の吉川選手のゴールにつながったボール奪取も、そんな感じだったんですか?

平田 あれもそうですね。最初はガッといかずに、後ろが「行ける!」って言ったタイミングでいくので。あとはかわされたら大ピンチなので、そこを考えながら。でも、後ろの合図があれば、行きます。

――全員で攻めて、全員で守るというのが、今日の試合は前半からできていた?

平田 前半は僕たちがずっとボールを持っている時間帯がすごく長くて、相手はしっかり固めてディフェンスをしてきて、GKと1対1になるような決定機もあったと思います。入らなかったですけど。後半はうちがペースを落として、相手のペースというか、あまりボールを回せなくなったと思います。吉川さんが、「落ち着いていけ」と言ってくれて、徐々に行くようにしてからは、リズムがだんだん良くなっていったかなと思います。守備のハマり方も含めて。うちのベテランの選手たちはスーパーなので、言うことを聞いておけば間違いないと、僕は思っています。本当に。

――1点目の場面、皆本晃選手はあまりああいう振り切られ方をするタイプじゃないと思うのですが、あの場面は。

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