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「湘南でフットサル人生を終えれたら最高だったけど叶わなかった。湘南から声がかかって戻ってこれるぐらいに成長したい」湘南ベルマーレ⑫上原 拓也選手試合後コメント

2022年3月13日(日)、岸和田市総合体育館(大阪府)で行われた、JFA 第27回全日本フットサル選手権大会の2回戦、立川・府中アスレティックFC×湘南ベルマーレ戦、試合後、上原 拓也選手コメントです。

今季限りでチームを退団する上原 拓也。

リーグ戦は、今季『ベストファイブ』にも選ばれたリーグNo.1キーパーのフィウーザにポジションを譲る試合も多かったが、立川・府中とのベスト8をかけた『F1対決』の大事な試合でスタメン出場となった。

17分に山﨑 歩夢の先制ゴールで試合を優位に進めていた湘南だったが、第2ピリオド、新井、そして元湘南の大徳に逆転ゴールを許し、一転、追いかける展開に。

しかし、試合終了間際、本田 真琉虎洲のゴールで延長戦に突入すると、延長前半も本田 真琉虎洲が連続ゴールを決めて、勝ち越し。

その後、上原を中心に相手パワープレーを凌ぎ続けていたが、残り14秒、金澤 空に押し込まれ、PK戦に。

湘南が最初の2人が外し、"万事休す"かと思われたが、上原のストップを機に、今度は立川・府中が2人外して振り出しに。

しかし湘南が退団する浦上 浩生が外したのに対し、立川・府中は最後、完山がフィウーザからきっちり決め、立川・府中が勝利し、準々決勝にコマを進めた。

▼ 以下、試合後のインタビューです。

最後『日本一』をベルマーレに残したかった。もっと上に行けるチーム。今後の飛躍を願っている

―試合が終わって、湘南でのキャリアも一旦ここで終わることになりましたが、まず、今の試合に振り返ってもらえますか?

上原 拓也選手「そうですね。

前半のところでまず、先制点取れたことは凄い良かったんですけど。

相手もウチの癖とかも分かっている中で、畳みこまれてしまった。

でもそこから同点になって、延長で、またこっちが勝ち越しましたけど・・・。

最後の相手の執念というか、そこで勝ち切ることができなかった。

まあPKは最後は気持ちが強い方が勝つと思うので・・・。

まあ最後そこの自分のミッションだったり、PKを止めてチームを勝たせたかったんですけど・・・。

そこが叶わなかったのは本当に悔しかったです。

ベルマーレでフットサルをやってきて、本当に『日本一』っていうのを最後にベルマーレに残したかったんですけど・・・。

まぁまだまだ僕も自分力不足っていうのもあるし・・・。

でもベルマーレはもっともっと上に行けるチームだと思ってるので。

これからの飛躍に期待したいし、ボクもみんなの活躍を願っている。

そこが率直な気持ちです」

日本人キーパーが出てこなくちゃ。ライバルのフィウーザには感謝しかない

―代表の候補合宿に選ばれるとか、個人としても高いパフォーマンスを見せた一方で、チーム内ではフィウーザとの競争もすごく厳しかったかなと思うんですが・・・。今日の関係とか見ていると、やっぱり凄くいい関係は築けてたのかなと思うんですが、フィウーザの関係だったり、ライバル関係・・・、ライバルとして意識してたこととか・・・、その辺はどうですか?

上原 拓也選手「そうですね。

まぁご存知の通り。フィウーザは本当に素晴らしいキーパーで。

僕もマインド的には、彼からポジションをとって、チームの中心になるっていう目標があったんですが・・・。

でもその中で、彼のプレーや、人間性のところを学ぶことが凄く多かったです。

本当に僕は彼のことをリスペクトしていましたし、彼も僕のことをリスペクトしてくれていると思うので、本当にいい関係を築けたと思っています。

本当に・・・、何だろう・・・オンザピッチ、オフザピッチのところ・・・

特にオンザピッチのところでは、その一個のポジションをずっと争い合った中の5、6年ぐらいで、一番近くでずっとやってきたキーパーっていうのはやっぱり、自分の中でも誇りだと思うし・・・

でもこれからは、ライバル関係・・・違うチームで戦うことになると思うので、そこで自分のパフォーマンスをしっかり出して、そこでフィウーザから学んだこととか、あとはキーパーコーチの阿久津さんとか、U-20のワタル(中澤 航)とかも、本当に切磋琢磨してきた中で、これからもっとキーパーのレベルが上がるためにも、やっぱ日本人のキーパーがもっともっと出てこなきゃいけない。

で、今求められていることっていうのが、本当に守備の部分だけじゃなくて、攻撃のところでも関わって行かなくちゃいけない。

本当にそのクオリティというのは、フィウーザは凄く高かったので。本当に彼から学ばせてもらった。そこはもう本当に感謝しています」

湘南でフットサル人生を終えれたら最高だったけど叶わなかった。実力をつけて、湘南から声がかかるぐらい成長したい

―今年これまでと違って、離れるっていう決断をしたのは、もう本当に出なきゃいけない年齢だなっていうことだったのか?それとも南の方から良いオファーが来たのか?

上原 拓也選手「そうですね。今シーズン始まるところで、もし今年自分が活躍できなかったらもう出るべきだと・・・。

そこはもう覚悟していたし。

キャプテンだったので、そういう立ち振る舞いとかも含めて、この一年で、お世話になったクラブなので、しっかりやり切って、そこからまた考えようっていう・・・。

でもやっぱり一番はこのベルマーレでフットサル人生を終われば最高だなと思っていたので・・・。

本当にそこは思ったんですけど・・・。

そこは叶わなかったですけど・・・。違うチームで、その実力をつけてまた、湘南から声がかかるぐらいの選手になって戻ってくれたら最高だと思っています。

まぁあとは日本代表とかも目指したいですし、今、監督が変わって、新しい日本代表になったので。

すごく僕のスタイルに合っているところが結構あると思うので。

そこにもうとにかく磨きをかけて、野心を持ちながら、頑張って行きたいと思っています」

―日本代表に入って、日本人ベストのキーパーになって、湘南に戻るために一回抜けるっていうようなイメージ?

上原 拓也選手「まぁ・・・そうですね。

まぁでも色んなチームから、話もあれば考えたいし、でもずっと僕は湘南でしか・・・。

Fリーグ選抜では違うチーム行きましたけど・・・。

違うチームをみたいっていう・・・。その違うチームで、違う人と、違う価値観を持った人とやったりすることも、自分の成長につながると思うので。

そこでも成長できればと思っています」

1点目の新井選手のシュートは『出る』か『止まる』か迷った部分があった。意表をつかれたタイミングだった

―試合の話で、失点シーンなんだけど、新井 裕生の右足・・・。今日は相当止めていたと思うんだけど・・・。決められた2点に関しては、何かありますか?

上原 拓也選手「1点目はブロックに行くか、シュートストップで止まって反応するか、ちょっと迷ったところが自分の中であって・・・。

もう一個運んでくるかな・・・と思ったんですけど、シュートのタイミングが早かったので・・・。ちょっとそこは意表をつかれた部分があります。なかなか普段の練習では受けないタイミングのシュートだったので。

でもあれは、今思うと、しっかり我慢して、後ろで自信もって待ってた方がシュートを止めれたんじゃないかと・・・。そこはちょっと後悔はあります。

2点目はちょっとディフェンスに当たってニアに来た。僕もちょっと体が一瞬ファーの方に流れちゃったので。だからまあ逆をつかれた感じになって。

あれがちゃんと普通に来てたら、止めれたと思います

その一個前に、南雲くんが逆サイドからニアに打ったシュートは反応で来ていたし。2点目はまあちょっと事故みたいな部分もあったかなと思います。

まぁそこはもうしょうがないかなと」

―決められたのが(元湘南の)大徳選手っていうのもまた悔しいよね?

上原 拓也選手「悔しい。めちゃめちゃ」

―あれがなかったら2-1で行けてたからね?

上原 拓也選手「そうですね。まぁ分かんなかったので・・・」

―でも今日は湘南、結構守備は踏ん張っていた?

上原 拓也選手「すごく本当に守備を・・・。あのピヴォに当てられるのは、やっぱりそこは府中さんも上手だったんですけど・・・。

やっぱりワンプレーワンプレーのところで、激しく行くところは、結構試合も荒れそうになったりした中ですけど、本当に今日みんな気持ちが入ってて・・・。

試合前に、昨日とか、ミーティングをして、本当にポジティブな声出して、アグレッシブにどんどんやっていこうっていうのは話していたので。

やっぱりトーナメントはそれがすごく大事だっていう話をみんなでしてやっていたので。すごくそれが今日出た。本当に、いい湘南の雰囲気だったなと・・・。

そこで最後のところが、やっぱり最後を止めて、勝たせるキーパーにならなきゃいけないな、と感じさせてもらったので。

そこも今日も、本当にまた一個試合で経験ができた。次につながるかなと思います」

延長・・・PK・・・、サポーターも40分プラスアルファ上原選手のラストマッチを存分に応援することができた?

―サポーターも最後、40分プラスアルファで上原選手の応援ができて、良い形で送り出せたのでは?

上原 拓也選手「まぁ本当に最高のサポーターなので・・・。

勝ってみんなに最後残る姿を、ずっと良いものにしたかったんですけど・・・。

それができなかったので、そこはやっぱ悔しいですね」

―今日は先発でしたけど、それはいつ分かったか・聞いたかっていうのと・・・。何か監督やチームメートから声をかけられたことはありますか?

上原 拓也選手「今日のメンバー発表のときに、スタメンは伝えられて。

今朝です。いつも試合前に伝えられるので。

みんなから『もう思い切ってやってこい』と伝えられていたので。

本当にあの結構緊張しちゃうタイプなんですけど・・・。

入りが本当にちゃんと入れれば、絶対に良いプレーできると思ってやっていたし・・・。

本当にみんなから、プラスの声を掛けてもらったから。凄くいい感じに試合に入ることができて凄い良かったです

―入りで言うと、いきなりこう攻め上がったところがあったと思いますけど・・・。あれは最初から行こうと思ってた?

上原 拓也選手「あれはもう1個戦術で入れようというのがあって。行けたらシュート打っちゃおうというのがあったので・・・。

あそこでシュート打ちたかったんですけど、相手が結構キーパーが持ったらプレスを掛けるので。真ん中絞ったりとかしてたので、もうパスを回して、っていう風になってしまって・・・」

―フィウーザさんと5年6年、一番間近で見てきたと思うんですけども、そのフィウーザさんの良さとか、こう真似したい・吸収したいところっていうとどんなところですか?

上原 拓也選手「技術面の部分とか申し分ないですし・・・。

そのメンタル的な部分とか、そういうのは。

本当に凄いと思ったのは、やっぱり外国人のキーパーは、練習とかでシュートを受けたりとか、うまくいかないことがあっても、あんまり引きずらない。

試合中とかでも、自分の中で凄く良い消化をする。なんかうまくいかなかった時に、うまくそのメンタルコントロールできる。

自分のミスで失点したとしても、うまく消化してやってるなって・・・。

本当になんだろう・・・。

このメンタル的な部分というのは、人間性のところもそうですし、いっぱいコミュニケーションを取ったので。

本当に、良いお手本が近くにいて良かったなと・・・」

PK戦、最後の1本だけ『フィウーザ』選手に交代。悔しさはあった?

―PK戦、最後だけフィウーザさんでしたね。あそこはちょっと悔しさもありましたか?

上原 拓也選手「行きたいな・・・。完山さんももう必ず、絶対向こう蹴るなというのは自分の中でも予想していたので・・・。

まぁでもしょうがない。

PKに入る前にも監督にも『どっかで変わることあるから』というのは言っていたので。

まぁでも、あれはその前で、俺が止めていれば、また違ったと思うので。PKも含めて」

―キーパーのスタイルの話もありましたけど、足元に関しては自信はありますか?

上原 拓也選手「足元には自信はありますね。

ただ課題としては、両足使うというところ。左足の部分。もう少しそこは磨かなきゃいけない。逆足の精度の低さが凄い顕著なので。

ロングボールもショートパスも、しっかり繋ぐことができたら、足元繋げれば全然違うと思うので。そこの足元の技術っていうのは、ずっと続けて・・・。

また本当にシュートストップをとにかく磨かなきゃいけないなと。

もうそこはもうゴールキーパーの一番必要なところだと思います。

ワールドカップも、アルゼンチン代表のサルミエントなんかは、身長が僕と変わらないぐらいで。すごいパフォーマンスを毎回毎回発揮してるので。

彼みたいな・・・、メンタリティもそうだし、スキルもそうですし、自分の中でそれを身に着けられれば・・・」

最後にサポーターにひとこと「サポーターの後押しがあったからこそ、こうやってフットサルをやってこれた」

―最後に、改めてサポーターの方に一言お願いします。

上原 拓也選手「はい。えーと・・・まぁホームもそうですし・・・。

アウェーもそうですし・・・。

毎回サポーターの皆さんが、応援に駆けつけてくれた。

ホームは本当に、素晴らしい空間の中で、それはスタンドの方の準備も含めて、凄くもうベルマーレ色に染まる・・・。

もう完全ホームの状態でやらせてもらいました。

アウェーに行ったとしても、応援団の人が来てくれて、パッとスタンド見ると、緑と青の方が多かった試合もありますし・・・。

本当にサポーターの皆さんの後押しがあったからこうやって、フットサルができて・・・。

今シーズンも最高の2位になりましたけど・・・。

間違いなくサポーターの皆さんの力があったと思うので。

本当に僕は中学生のときに、サポーターの中で声出したりとかしていたので・・・。

そこから今、選手になって、本当に感慨深いというか・・・。

プレーでもっともっと返したかったな・・・と思ったんですけど。

本当に今年最高の2位になったというのは、良かったと思う。

本当にもう皆さんサポーターの後押しが本当に力になった。

感謝してます。

残った選手がまた新たな歴史をつくると思うので、そこに期待してもらえればと思います。

ありがとうございます」

―(対戦したら)ブーイングされたい?

上原 拓也選手「ブーイングして欲しいです。

Fリーグ選抜のときはされなかったので。されるかな?と思ってましたけど・・・。

まぁ、止めたらブーイングしてくれてた方が俺は、なんかいいな、と思います」

取材・文=北谷 仁治
写真=勝又 寛晃
※試合はこの試合の写真ではありません。

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フットサルの専門誌がなくなった今も、取材活動を続けているライターがいます。3人ともライター以外の側面からもフットサルにかかわっているので、幅広い側面からフットサルの話ができると思っています。

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