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どこよりも速い、フットサルトップリーグ監督インタビュー。北海道・金井 一哉編

Fリーグ開幕から、11年間、チーム結成から数えると実に12年間、エスポラーダ北海道は、小野寺 隆彦氏が指揮を執ってきた。

その"長期政権"後、注目の新監督に決まったのは、昨季、Fリーグ選抜を率いた金井 一哉氏。

小学生の頃から「指導者になる」ことを考えていたという金井氏は、今季、北海道に戻って、エスポラーダでどのようなフットサルをチームをつくろうとしているのかー。

金井・エスポラーダのフットサルについて。トレーニングについて。サッカー歴について。Fリーグについて。フットサルタイムズの北谷が、色んな質問をぶつけさせていただきました。

どのようなフットサルを目指すのか?

―監督就任、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

―いまの率直な感想、お気持ちはいかがでしょう?

「監督に就任にあたって、やっぱりこうワクワクするっていう気持ちが率直な気持ちかなと思います」

―去年はFリーグ選抜の監督をされました。1シーズン、いかがでしたか?

「監督を初めてやらせてもらって、やはり、今までコーチとして見えてたものと、監督として見える物っていうのがまったく違うという印象がありました」

「そういう経験っていうものをさせてもらったのは、本当に貴重な1年間だったなと思いますし、チームを率いるって言うのにはまた更なる覚悟が必要だというのを感じた1年でした」

―『見えてくるものが違う』というのは具体的には?

「コーチとして試合のときに実際ベンチで座っていると、全体観が見えるというか・・・。正直、最初の数試合は、自分自身のもしかしたら緊張があったのかもしれません」

「勝たなきゃいけないというプレッシャーによって、なんとなく、自分自身の視野が少し狭くなっていて、本来ボールじゃないところで何が起きているのかとか、っていうところを冷静に見るっていうところにちょっと時間がかかっちゃったのかなと思いましたね」

―監督だと『決断』も伴いますしね?

「そうですね。やっぱり決断のところにまた頭の中を少し使ってるとが、その分、やっぱりもしかしたら見てたはずのものがなかったらかもしれない。そんな印象ですね」

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エスポラーダでやりたいフットサルは?Fリーグ選抜との違いはある?

―エスポラーダ北海道では、どういうフットサルをしたいですか?

「まずはチームとして、攻守においてアクティブにプレーをするというところを第一に持って行きたいと思ってます」

―『アクティブ』というと?

「やはり攻守において『走る』という部分であったり、攻守の切り替えを速くすることもそうですね・・・」

「原則的なものだとは思うんですけど、そこをしっかりと・・・。戦術的なものだったりとか、いつ、どこから、誰が、どのように走るのかとか・・・。切り替えの部分に関しても、どこからどうやって切り替えて誰がどうするのかっていうところをしっかり整理した中で、どこよりも走るチームであったり切り替えが早いって言われるチームを目指したいと思います」

―そのあたりのコンセプトは、昨シーズン率いたFリーグ選抜と同じなのでしょうか?あるいは変わって来る部分があるのでしょうか?

「僕が考えているフットサルというところで大きくは変わらないとは思いますが、所属する選手が変わって、それぞれのキャラクターもあるので・・・」

「そのあたりは、できること、もしくは逆にできない事微調整しながら。全く同じ物を落とし込むというよりも、それをベースに、新しいエスポラーダとして、各選手が活きるような戦術を作っていきたいと思います」

「そう考えると、全く同じモノにはならないと思いますし、自分自身も、新しい発見も含めて(チームを)作っていきたいと思っています」

―例えば攻撃に関しては、具体的に、やりたい戦術、ゲームモデル、プレーモデル、コンセプトみたいなものがありますか?

「Fリーグ 選抜のときもそうですし、今のエスポラーダ北海道もそうですが、ピヴォがいるセットと、いないセットは分けると思います。チーム内で、そういう2つのシステムを使い分けながらやっていきたいと思っています」

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―守備に関してはいかがですか?

「僕が好んでいるのは、前からしっかりプレスをかけること。そこは一番、自分自身としては求めていきたいと思っています」

観戦の時の見どころやポイントは?

―戦い方で言えば、サポーターの方や観客の方が、エスポラーダの試合に観る時のポイント、見どころはどこでしょう?

「縦に速いカウンターだったり、私自身が大事にしてるのが2人組のコンビネーションを大事にしてチームをつくっていきたいと思っているので・・・。2人で崩した時とか、2人組のプレーなどに注目して観てもらえればと思います」

「あとは、『こんなチームをつくりたい』と言う中の1つに、『闘争心を持って戦う』というのがありますので、選手たちが、試合終了する最後まであきらめない。そういう姿を見ていただきたい」

「私たちのスタイルとしては、カウンターの部分というのは、武器だと思いますので、切り替えから起こるトランジション攻撃も一つ、ポイントにしてもらいたいと思います」

―例えば、カウンターの際、誰が、どこに、どのように走るというのは結構細かく決めていく、求めていく感じになるのでしょうか?

「はい。そうですね」

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―2人組の関係というのは、金井監督の中で、『サッカー』の時代から、こだわりを持たれていた?

「いえ。フットサルしてからかな・・・」

―ワンツーだったり、パラレラだったり、スルーパスだったり?

「そうですね。そういったところをどうやってシステムの中で・・・、連続して起こるのかとか、フットサルのシステムの先のゴールを奪うための突破の一つとして、2人組の戦術というのは重要だとは思っています」

「それをどこで、どのように、誰と出すのか、というところが(フットサルの)楽しいところなのかなと思っています」

目指すフットサルを体現するためのトレーニングとは?

―そう言ったことを実現するために、どのようなトレーニングを行っていきますか?

「私たちのチームは、背景として、新しく入ってくる選手というのは、比較的サッカーから転向してくる選手が多いんですよね・・・。そういう選手と水上選手のようなフットサルのベテラン選手が両方居るような形になっています」

「トレーニングの中で、2人組(の戦術)というものが、どういうものがあるかというところも落とし込みだがら、それをどのようにシステムに組み込まれているのか?というところをつなげるトレーニングを主としてやっていく感じになると思います」

―例えばパラレラなんかは、少しフットサルチックというか・・・あんまりサッカーの選手は馴染みのない動きだったりしますよね?

「実際、僕もフットサルを始めた頃は、例えば『パラレラ』という言葉に対して、相手の守備がどうかとかあまり関係なく、形だけで覚えた、動いていたという経験があるんですけど・・・」

「形を覚えることもそうですけど、守備がいて、初めてフットサルの試合になると思いますので、狙いが何なのか?何のためにそれがあるのか?という原則の部分を落とし込めれば、必然と『パラレラ』にもなるだろうし。チームとして、どのスペースを、どういうときに狙おうね、というところがわかれば、必要な戦術にリンクしていくんじゃないかなと思っています」

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―『状況を見て』と言う部分ですよね?

「そうですね。そこに時間をかけて(トレーニングをして)いきたいと思います」

―トレーニングの中でゲームを止めたりして、声掛け・アドバイスを送るのは、そういったタイミングがメインになりそうですか?

「そうですね。やはり「いつ?」というところが、フットサルにおいて、サッカーもそうですけど、大事になると思います」

「そこに常に問い掛けと、選手たちがどう獲得していくのか、というところに目を配りながら、コミュニケーションを取っていく指導がしたいですね」

練習環境の違いで影響があるか?

―去年まではFリーグ選抜として、名古屋オーシャンズの環境を使えたと思います。そのあたりは北海道だと、練習日だったり、練習時間が減ってしまうのでは・・・?

「そうですね。ありがたいことに、去年は、ほぼ毎日2部練習ができる環境で、選手たちと生活をしてこれたんですけど・・・。北海道では、仕事をしっかりしながらフットサルをするというのが、北海道のコンセプトの一つでもあるので、実際に練習の日数っていうのは、年間のプランニングを立てても減ってしまう部分はあります」

「その中で、どれだけ練習の質を上げていけるか、というのは、私自身の仕事なのかなと感じています」

―戦い方に関しては、エスポラーダは小野寺前監督が11年間という長い期間、監督をされてきましたが、その戦い方・戦術で継承する部分はあるのでしょうか?

「どこよりも走るとか、切り替えと言う部分は、私自身、小野寺前監督の下、立ち上げの2年間、選手としてもやらしてもらいましたし、その後ずっと携わって、そこはやっぱり自分たちのスタイルの1つでもあるので、そこは継承していると思います」

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