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コツコツ、ゆっくりと、ときをためる。「人生フルーツ」を見ました。


めちゃめちゃいい映画でした。

ネットでは見れないし、もちろんDVDもない。
上映してる映画館も少ないけど、

いろんな人にみて欲しい。


人生を豊かに生きるってのは難しいことじゃないのよ、って優しく教えてくれてるような映画でした。


あまり書くとネタバレになってしまうけれど、
映画をみて、いまの自分が考えたことや思ったことを書き留めておきたいのでnoteに書くことにしました。

まだ見てない方、ネタバレして欲しくない方は読まれない方がいいかもしれません。


予告編だけ、そっと置いておきます。


暮らしをゆっくりと楽しむ。

畑仕事したり、小さい立て看板を自作したり、ベーコンを燻製したり、機織りしたり、美味しいもの食べたり。
お金が潤沢にある訳じゃないけど、なんでも自分たちでやってみて、自然に逆らわず、めぐる季節の中で日々の暮らしをゆっくりと楽しむ。

僕らのシェアハウスでも、自然の中で暮らしているとそれぞれの季節で次々と仕事が生まれてきて、毎日やることが多くて飽きない。
「忙しい」とはまたちょっと違って、毎日、毎日、飽きない。

87歳と90歳の老夫婦が、自分の心の思うままに日々を生きていく。
そんな人生の豊かさに触れることができる。


大事なのはお金じゃない

そんな日々を生きる暮らし。生活費は2ヶ月に一度の年金。
支給されたときに町の信頼するお店に買い物にいってまとめて購入する。

生活にもなるべくお金をかけない。
でもそれは節約している、というよりはお金がないことを気にしてなくて、自分たちでできることを、なんでもやっていたらお金のかからない生活になっていた。というような感じがする。
お金がないときには質屋に通っていたそうです。そこには英子さんによる努力がたくさん詰まっているとは思うのだけれど、いいなと思ったのは、
それでも食費は削らないこと。

「食べるものは、生きていく上で一番大切なもの。」だそうです。


お金との向き合い方、また英子さんの言葉を読みながら深めてみたい。

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「次の世代に何を残していけるか」

暮らしをゆっくりと、楽しむ。
でも、ただ楽しむだけではなくて、
お二人の行動には、「次の世代に何を残していくか」という問いが根底にあるように感じました。

作中に出てきた一番印象に残った言葉、一字一句同じかはわからないけど、こんな風だったと思います。

お金は次の世代に残せないけど、
土をよくすれば絶対に作物は誰でもつくれるから、
生み出すことのできる場を残してあげる。

そういいながら、落ち葉を溜めたコンポストから腐葉土を畑に撒く英子さん。

自分たちの信じるものを、自分たちが死んだ後に次の世代に残していく。
それに気づいて感謝をしてほしいというわけでもなく、すぐに分かってもらう必要はない。自分の大切な人たちのために「できることから、ゆっくり、コツコツと。」手を加えていく。

時間はかかるけど、ただ時間をかければいいってものでもなくて、ときをためて。

フルーツにはタネがなくてはいけない。果実の甘さは、次の世代に命を渡すためにある。
私たちは 過去の人間から受け取ったものに 私たちの精神と労働を加味して 未来の人間に渡すのです。
(「人生フルーツ」パンフレットより)

ご飯をつくるのも、畑仕事をするのも、その行動の先には「誰か」の姿がいつも心に映ってるんだと思います。暮らしも仕事も、本来そうであっていいのかもしれない。

素敵な生き方だなぁと思った。



なんでもやってみること。やってみたら見えてくるものがあるから。

これは英子さんの言葉だけど、同じようなことはうちのばぁちゃんもよく言ってました。

「人生は経験したもん勝ち」
なんでも経験してみなさい。きっとあとから生きてくるから。

そうやって生きてきたジィバァだからこそ出てくる言葉で、だからこそ信じることができる言葉です。


実は、映画をみながらも思っていたことではあるのですが、
修一さんと英子さん、うちのジィバァに似てる。

というと、少し痴がましいかもしれないけれど、僕の祖父母も仕事をするためではなく、自分たちが楽しむために暮らしを手作りでつくっています。

お金のための暮らしや仕事ではないからこそ、
そこでつくられるものは何よりも信じられる。

なんでもやってみたくなるじぃちゃん。
「あと5年」と言い続けて5年経ちました。
相変わらず「あと5年」ではあるのですが、80歳近くなって、やっぱり側から見てても老いを感じるようになってきた。


じいちゃんたちが元気なうちにいろいろ教えてもらわないとなぁ。

いま、教えてもらいながら、なんでもやってみなきゃいけない。
そう、そのために今大学を卒業して耶馬溪に移住してきたんだった。



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受け取って。次に渡していく。

生きる本質は、次の世代に土を残していくこと。
いのちを繋いでいくこと。

修一さんと英子さんたちの生き方には、そんなメッセージも含まれているのかなぁと思いました。


「人生フルーツ」の映画を見た一番の感想はこの通り。

「2人のような生き方がしたい。」

周りの流れに焦らなくていいから。


ゆっくり、コツコツ。


これ、来年のテーマになりそうだなぁ。


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