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耶馬溪で未来塾をつづけるということ。

屋久島で 第1回環境系学生未来塾 に参加したのが、2017年の夏。
あれから5年半経って、耶馬溪で4回目の未来塾が始まろうとしています。


自分にとって未来塾は、自分の想いを言葉にできた場所。
共に人生を語れる仲間とつながった場所。
大人も同年代も、いろんな人の人生に触れた場所。
一人ひとりが違う経験をして、それぞれの想いを持って人生を生きていることを知った場所。その人生を応援したいと思った場所。


振り返ってみると、自分の人生にとって欠かせない存在になっている未来塾を、いつの間にか、屋久島とは人も環境も違う耶馬溪で続けている。

改めて、耶馬溪の未来塾について考えてみました。


やばけい未来塾の特徴

屋久島には屋久島未来塾の良さがありました。
でも、耶馬溪の未来塾を気に入ってくれた卒業生もいました。場を開いたものとしては、ジーンとくる嬉しい言葉でした。

自分は、屋久島も耶馬溪もそれぞれ4回ずつくらい参加していますが、その中で感じたやばけい未来塾の特徴を整理してみました。


特徴1|分かち合う暮らし

耶馬溪のメインフィールドとなっているのは、
未来塾卒業生のメンバーが暮らしている「暮らしをつくるシェアハウスhitotose」
自分が相方のそーちゃんと移住してきて始めたシェアハウスです。

みんなで食卓を囲んだり、DIYでサウナを作ったり、カボスや梅を取って漬け込んでみたり。
よくある街の遊びとはまた違う、田舎ならではの余暇の過ごし方。
「自分たちの手でつくる」その過程も一緒に楽しみながら、おいしくて、楽しくて、心地良い暮らしを目指しています。

未来塾のメイン会場がhitotoseになったり、
自然に触れるじかんとしてhitotoseで活動したり、
未来塾が終わった後に、卒業生たちが集まる場になっていたりします。


日々の豊かなじかんを共に過ごすことで、「1人で生きているわけじゃない」というつながりが感じられ、ここだからこそ気を張らずに対話ができる安心感があるように思っています。




特徴2|小さな経済圏で生きる

地域で暮らしていると、色んなつながりが生まれます。

料理人、お菓子屋さん、ドーナツ屋さん、豆腐屋さん、DIYを一緒にやってくださる大工さん、山の上の珈琲屋さん、耶馬溪の木で精油を作っているご家族、おいしい野菜を作っている農家さん、納豆を作っている人。

商品やサービスをお金で売り買いするだけでなく、「いつものあの人」にたくさん囲まれた暮らし。困ったときに頼れる人がいるという安心感は、4年間の暮らしの中で、つながりができればできるほど、増えてきました。

「地域で生きる」ということが、自分たちにもじわじわと浸透しています。


耶馬溪に移住して小さな村コミュニティをつくるべく、家を改修し、田んぼ仕事をして、等身大の暮らしを楽しみながら営んでいる大人たち。
無農薬でお米や大豆を栽培し、春にはミツバチたちのためにレンゲソウを蒔き、里山の風景をつくっている百姓。
持続可能な森づくりを行い、「森を想う暮らし」をテーマに次の世代につながる森林経営に取り組んでいる大人たち。

世界では、経済がグローバルに広がり、持続的な開発が進む一方で、
地方には、日本の風土に根ざしたムリせず心地よく過ごす生き方が眠っているように感じています。

そんな「地域で生きる」大人たちの人生哲学に触れ、視野が広がると、行き詰まっているように見える進路も、活路を見出せるように思います。






特徴3|応援し合える関係性を育む

そんな耶馬溪の未来塾には、嬉しいことに、参加した卒業生たちがその後も数多く訪れてくれています。中には休学したり長期休みを利用したりして数ヶ月単位で長期滞在してくれる人もいます。

未来塾で過ごしているとスタッフも参加者も関係なく、お互いの人生を語り合う時間を過ごすことが多くなります。
そんなじかんを共にした仲間たちだからこそ、未来塾のその後の人生もお互いに応援し合える関係性が育まれています。


気づけば初めて未来塾で会ってから数年経っていて、
みんなそれぞれ悩んでいたり、嬉しいことがあったり、進路が決まったり、また不安になったりしています。

結局それぞれの進路や人生をどうにかすることは、自分たちにはできないのですが、未来塾で過ごす時間があることで人生の羅針盤が見出せて、
耶馬溪のこの場所があることで、帰って来れる安心感と、だからこそ日々を頑張れる活力になっていたらいいなと思っています。




耶馬溪で未来塾をつづけるということ


実は、未来塾を開催するにあたっては、耶馬溪である必要はありません。
きっといろんな地域でできるだろうし、それぞれの地域で面白い大人たちがいたり、新たな関係性が生まれる土壌があったりすると思います。

でも、自分たちが耶馬溪にいて、誰でもいつでも立ち寄れる空間があって、
そこに参加してくれた卒業生たちがいるので、
ゆるゆると場を開きながら、少しずつ人と人との温かいつながりが生まれていったらいいなと思っています。



まだ自分の人生に納得しきれていないあなたへ。
社会はものすごい速さで時間が過ぎていくけれど、
耶馬溪ではゆっくり移ろう季節と共に日々を過ごしています。
ここに来たって、就職先なんて見つかりません。だけれども、ゆったりした里山じかんを共に過ごす4日間は、きっと後から大きな糧になってくるはず。
自分たちはただその場を開くことしかできないけれど、もし、ひと休みしたかったら、ぜひ耶馬溪へお越しください。


環境系学生未来塾 in 耶馬溪
地域パートナー 松木太



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