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不登校の子どもの心が元気になるために 親の対応で最も大切なこと

 「不登校は心のケガ」と話す不登校専門カウンセラー・阿部伸一さん。心のケガを癒し、安心してすごすために必要なのは、「否定しない」ことだと言います。子どもを否定せずに支えるために、親として何ができるのか、実例をまじえて語られた講演「不登校でも大丈夫」(2022年2月20日、主催・ぽくるーむ)のもようを抄録します(編集・飯田友美、茂手木涼岳)

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阿部伸一さん

 こんにちは、阿部伸一です。不登校の子どもや親を対象に、カウンセリングや学習支援の会社を立ち上げ、活動をしています。不登校を考えるときに「早く元気になって学校へ行けるようになろうね」という発想があります。しかし、僕はこの発想は好きではありません。問題は学校へ行かないことではなく、子どもが元気でいられないことだと思っているからです。

 学校へ行くか行かないかは正直、どちらでもよい。お子さん自身が自分で学校へ行く、行かないを決められるくらい元気になってくれればそれでよい。それに今の時代は、不登校の経験があったところで将来にあまり影響はないですし、彼らが活躍する10年後20年後を考えたら、今以上にまったく影響はなくなるのではと考えています。

 僕は不登校を「心のケガ」というふうに例えています。

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