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不登校まっただなかの10歳の日常 家で学び育つ1週間を密着取材

 小学生の不登校が増えているなか、わが子を家でどうすごさせればよいのか、お悩みの方も多いのでは? そこで、小学4年生の鈴村れいさんと母親の結さんに取材しました。れいさんは、小学1年生の夏休み明けに不登校。以来、家庭を拠点とした「ホームスクール」に切り替え、現在小6の兄、小1の弟とともに、家を中心にすごしています。ホームスクールを始めた経緯、ふだんどのような日々を送っているのか、ご紹介します。(文・木原ゆい)

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 れいさんが不登校になったのは、小学1年生の夏休み明けでした。食欲が徐々に落ち、学校を休みがちになったのです。しだいに体重も減少するほど、心は追い込まれていきました。もともとれいさんはひといちばい刺激に対して敏感な「HSC」の特性の持ち主。母親の結さんは、「そうした気質ゆえ、エネルギー切れしたのだろう」と当時をふり返ります。

 じつは結さんも不登校経験者のひとり。また、すでに長男がホームスクールをしていたこともあり、れいさんにも本人の意志を尊重する姿勢でいることを伝えました。れいさんは、最初こそ学校へ行くべきか迷いましたが、それは自分の変化に追いつけず、とまどっていたからなのでしょう。

 数週間学校を休み、れいさんの心がすこしずつ回復してきたタイミングで、結さんは「学校との距離をどうしたい?」と尋ねました。すると、れいさんは自分の気持ちを小さな声でこう伝えてくれたそうです。

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日本で唯一の不登校専門紙です。創刊前年の夏休み明け前後に発生した中学生の自殺等をきっかけに、「学校に行くか死ぬかしないという状況を変えたい…