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神経核と神経節、灰白質と白質

【神経核】
 中枢神経系内の神経細胞の細胞体が集まるところを、神経核といいます。 
言い方を変えれば、「広い白質の中に、神経細胞体がかたまりをなしているところ」ともいえます。
 迷走神経核、大脳基底核などがその例です。

 
 また中枢神経系内において、神経細胞体の集団が、表層に存在する場合を皮質といいいます。
 例として、大脳皮質や小脳皮質があります。

【神経節】
 末梢神経系内の神経細胞の細胞体が集まるところを、神経節といいます。
末梢神経を外から肉眼で見ると、この部分が膨れて節くれだっていることから「節」の名がついています。
 例としては、脊髄神経節、交感神経節などがあります

 一方で、灰白質や白質といった用語もあります。

【灰白質】
 中枢神経内で神経細胞の細胞体が多く集まった所をいいます。
脳や脊髄の断面を肉眼で見ると、灰色っぽく見えるので灰白質といわれます。

【白質】
 中枢神経内で神経線維の集まっている所をいいます。
脳や脊髄の断面を肉眼で見ると、白色に見えるので白質といわれます。
 ちなみに神経線維とは、軸索と髄鞘を合わせたもののことです。髄鞘に含まれる脂質が光って白く見えるといわれています。


 定義が似ていてややこしいので、補足しておきます。
 例えば、大脳皮質や大脳基底核は、「灰白質である」ともいえます。
しかし、脊髄神経節や交感神経節は、「灰白質である」とはいいません。なぜなら、神経細胞体の集団ではあるけれど、中枢神経系外にあるからです(末梢神経系内にある)。

 また、大脳髄質は、白質になります。

灰白質と白質

「ぜんぶわかる人体解剖図 坂井建雄 橋本尚詞著 成美堂出版」 から引用・改変


【参考図書】
・  生理学 第3版 東洋療法学校協会編 内田さえ、原田玲子他著 医歯薬出版株式会社
・  解剖学 第2版 東洋療法学校協会編 河野邦雄、伊藤隆造著 医歯薬出版株式会社
・ ぜんぶわかる人体解剖図 坂井建雄 橋本尚詞著 成美堂出版
・ 解剖学 全国柔道整復学校協会監修 岸清、石塚寛編 医歯薬出版株式会社


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