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大きな声で″部落″を話してみた!!  ~遅くなってごめんなさい~

「なんで小声なんだよ、クソッ」

人々が「部落」というワードを口に出すとき、小声になることをそう思っていたので、大きな声で「部落」を話す集いをしてみました。
(注:「クソッ」という思いは、小声で発した相手にではなく、小声で話す雰囲気の社会に対してです。)

すでに1ヶ月近く前、3月14日(土)大津市内にて「大きな声で部落を話そうVol.1」と題して開催したこのイベント。
大声で「部落」を話したったどーーー!!!

部落出身者もいれば、そうでない人もいて、部落ならではの文化のこと、それを発信すること、さらにそのことを部落に住む人たちはどう思っているのか、同和教育のことなどなど・・・いろいろ話しました!

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★部落を知ってもらう取組みのこと★

最近は、食文化、伝統、街づくりのことなど部落である地域の魅力を発信する取り組みもあちらこちらで見られています。

Q.「でもそれってぶっちゃけ部落内の人はどう思ってるの?嫌じゃないの?」

A.「嫌な人のほうが多いと思う。」

私の地元の部落ではそんな動きないけど、おそらくそんな動きがあったら嫌な人の方が多いだろうなと思う。
「寝た子を起こすな論」は部落内にも実は多くて、「そっとしておいて!」という人だっているはず。
だって差別されたくないし、そのリスクがあることは避けたいもん。
今、生活するうえで弊害がなかったら、
「波風立てないで!だから、住んでいる地域が部落であることをわざわざ言わないで!」
って思う人がいて当然。

でも、もちろんだけど、そうした取り組みは、差別を助長するためにやっているのではなく、知ってほしいからやっているのです。
差別や偏見は知らないことから生まれるんだと思います。
知らないから差別や偏見が残る→差別や偏見があるから自分が部落出身であること、そこが部落であることを言えない→言えないから知られることもない→知らないから差別や偏見が・・・と悪循環があるように思います。
それを断ち切る取組みなんだと思うんです。
さらにそこから新しい価値観だって生まれるかもしれないですしね!

★学校で部落を学ぶということ★

でもこれが教育の場となると、またちょっと話が変わってくるようです。
部落差別は、部落のある周辺地域で強くなる傾向があります。
1969年からの同和対策特別措置法によって推進されていた「同和教育」は、2002年の特措法失効により、多くは「人権教育」に形を変えました。

Q.「周辺地域に部落があっても「同和教育」として続けないんですかね?」

A.「教育の現場では地域に部落があることは明言できないんですよ」

身近なこととしてそこにあるのに、具体的な話は避けて、部落について学ぶ必要があるようです。
部落の歴史や文化は、差別というネガティブなものばかりではなくて、日本の伝統や産業に寄与してきた素晴らしいものがたくさんあります。
庭造り、伝統芸能、食肉産業、皮革産業・・・これらを「同和教育」として学ぶ学校は聞きますが、「地域の歴史」としてもっとオープンに学べたらいいのになぁとモヤモヤが残る課題です。。。

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なんだかここで書いていても、当日自分の取ったメモを見ても、
「んーなに話したっけ??」
と、イマイチまとまってない感があるのですが、(参加者の皆さんごめんなさい)、それは1ヶ月が経ってしまったせいではなく、なんだかこのイベントを開催できたそのこと自体で胸がいっぱいだったもので・・・(笑)ほんとに。

自分の気持ちを聴いてもらえる、誰かの気持ちが聴ける、ずっとずっと自分の出身を隠して縮こまってたけど、声に出してみたら世界は広がりました。
お互いの感じ方や考え方を肯定するところまでじゃなくてもよくて、「でも~」から始まる返事じゃなかったら、否定せず受け止め合えたら、そういうリアクションを感じられたら、声に出してみようって思えるんだと思います。
まずそこがはじめの一歩。
やっと出たはじめの一歩でした。

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きっとそれは部落出身者とかマイノリティということに限らず、日頃それぞれが感じているすべてのことに言えることだと思います。
特に多数派の意見のなかでは、自分が違う考えでも言えなかったりします。
気にせず言える人だっています。
でも言えない人だってたくさんいます。
否定しないその目が、「どう思ってるか言っていいんだよ~」ってサインになります。
もちろん差別とか偏見とか、そのこと自体は否定されるべきことです。
でも大げさに言うと、そのバックグラウンドを否定することから入ったら、本質まで見えなくなってしまう・・・
そういう意味で、和やかにひたすら聴いて話すこのイベントは、これからも最高に誰でもウェルカムな雰囲気を出していきたいなと思います!

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ああ、こんなレポートのはずではなかった。
今度はもっとちゃんとレポート書くので、またお集まりください!!
今回、定員に達してしまい、ご参加いただけなかった方々もいらっしゃいました。
次回はご参加ください!
Vol.2は6月頃を予定していますが、新型コロナウイルスの感染拡大とその影響が不安な今日この頃です。
様子を見ての告知、開催となると思います。
何よりこの事態が少しでも早く終息しますように…


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