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091話:純正シューツリーに匹敵するシューキーパーを身の回りの品100円以下で実現する方法

靴が届きましたー!!

そのときの高揚感…至福です。そのために生きているとさえ思ってしまう。これからずっとずっと履いて、育てていこう!磨いたりケアしたり…そこからどんな表情を見せていくれるのか?妄想が止まらない。

かげかげのない一足にしたいものです。


ただ、最初に立ちはだかる関門がシューツリー。ラスト(木型)から起こしたツリーがない場合、どのようなツリーを合わせれば、型崩れしないのか?きっと諸兄は頭を悩ませているのかもしれません。

ツリーがラストにあっていなければ、アウトソールの反り返りと型崩れを防ぐ本来の役目を果たさないばかりか、かえって不必要な箇所にテンションをかけることでフィッティングやフォルムを悪化させてしまうことにもなりかねない。

今回は、みなさまが心をときめかせながら、迎え入れた一足に最適なシューキーパーを身の回りのもので簡単に作る方法を紹介します。

また、その実際の効果を2ヶ月間、着用13回・144時間の着用で実証実験した結果も併せてレポートします。

では、いきます。


1:準備するもの

割り箸・ティッシュ、、以上!

2:やりかた

STEP1:ティッシュをひたすら、靴のつま先に押し込みます。分量はボールジョイントのとこまでティッシュがツメツメになるくらい。

STEP2:ティッシュを4−7枚とり、踵の方に詰める

STEP3:つま先と踵の間に割り箸を入れる。結構強いテンションがかかります。もし、割り箸が入らなければつま先のティッシュを減らしてください。


3:効果

この靴は、私の足に隙間なく併せて作ったラストです。実は履きおろしてから、左足はティッシュと割り箸のシューキーパー。右は純正であるラスト(木型)から起こしたシューツリーを使用していました。

ラスト(木型)から起こしたツリーである右足と、今回のティッシュと割り箸のシューキーパーである左足を比較してみます。

実験条件:

✓着用期間は2ヶ月間

✓着用回数13回

✓着用時間144時間

✓歩行時間20時間(推定)


つま先の反り返り:

(左)割り箸キーパー・(右)純正シューツリー。それぞれトゥスプリングは20mmと全く同じ値を取っていました。ここでは全く差が見られませんでした。

ちなみに新品時はこんな感じ。

新品時のトゥスプリングは15mmでした。純正ツリーも、ティッシュと割り箸のツリーも、よく反り返りを抑えてくれています。

甲のシワの具合:

(左)割り箸キーパー・(右)純正シューツリー。多少のシワの違いはあれど、どちらもシワの付き方は問題ありません。

フォルム:

正面から見た図では、(左)純正シューツリー・(右)割り箸キーパー、違いは感じられませんでした。

(左)割り箸キーパー・(右)純正シューツリー。どちらも変わらず、きれいに踵のフォルムを保っています。

ちなみに新品時。


現時点の結論:

ラスト(木型)から起こした純正シューツリーに遜色ない性能が、ティッシュとわりばしで実現できることがわかりました。

あえて、片足だけ純正ツリーを使用せず、ティッシュと割り箸のキーパーにしましたが、フォルム・シワ・反り返りの全てについて、全く問題ないことが確認できています。

今回の実験では、純正シューツリーは高いだけで意味はない、と主張する気はさらさらありませんし、多少高くとも揃えるほうが総合的な満足度が高いとさえ、私は思います。

ですが、そのようなツリーがない場合、靴を長く履けるよう保つための、一つの方法として知ってほしい思いがありました。

もし、ツリーに迷われている方がいれば、変に高級なツリーを使用せず、今回の方法を試してみてはいかがでしょうか。

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