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組織内の外的キャリアと内的キャリア シャインの理論より

キャリアコンサルタントの学びの中で得た知識を定着させたいので、
「ちょっと知っておくと日常で使えるかも!」というTipsをシェアしていきます。

先日、会社の社内報で「外的キャリアだけでなく、内的キャリアへの転換を行うべく支援を行っていく」という記載がありました。

今回のテーマは「組織内の外的キャリアと内的キャリアってつまり何なのか?」

組織心理学者エドガー・シャインの理論を用い、職場の方にどう説明するかという観点でまとめてみます。

キャリアを捉える時には「外的キャリア」と「内的キャリア」の2つの軸から捉えることができる。
出典:新版キャリアの心理学

外的キャリアとは?

「外的キャリア」とは、その人が経験した仕事の内容や実績、組織内での地位などを意味します。
職務経歴書や履歴書で表現されるキャリアのことです。

シャインはこの外的キャリアをキャリア・コーンと呼ばれる、組織の3次元モデルで表しました。

出典: 労働政策研究・研修機構(JILPT)
組織内へのキャリアを形成する3方向

①組織の垂直方向(階層):職位や職階を上がる(下がる)移動(係長、課長、部長などの職に就く)

②円周場に沿った水平方向(機能):職能(専門領域)での移動(異なる職能部門を超えるような移動。例:営業部門から人事部門へ)

③組織の中心に向かうことによって形成されるキャリア:特定の職の部門で長く職務に就くことによって、その職のエキスパートになる。重要な情報にアクセスしやすい位置となる(部内者化)。
地位・機能が同一のまま、組織にとっての自己の重要性が変化する。
労働政策研究・研修機構(JILPT)

この外的キャリアが、一般的にキャリアという言葉から思い浮かべる所であり、従来の終身雇用型で特に重視されていたことだと思います。

「部署異動も役職の変化もなく、キャリアが積み上がっているか不安です」との声を聞くことがあります(私も言ったことがある)。

そんな時は、一見変化がないように見えても、「③の部内者化」の方向で、キャリアは確実に積み上がっているし、組織からも重要視されている存在だろうことは、ぜひ伝えたいです。

内的キャリアとは?

続いて、「内的キャリア」とは、職業生活における歩みや動きに対する自分なりの意味付けです。

つまり、個人がキャリアにおいて主観的に受け取るやりがいや達成感です。

内的キャリアは、外的キャリアの基礎となるものとして捉える。

内的キャリアに注目することは、個人にとっては生きがいや働きがいといった自分のモチベーションの源泉を知ることでもあり、自分らしいキャリアを実現するための手がかりを得ることでもある。
労働政策研究・研修機構(JILPT)

「何のために働くのか」という価値観、Will Can MustのWillに相当する部分が「内的キャリア」です。

生きがいや働きがいを本業に求めるのか、それ以外(副業や趣味など)に求めるのかは各人の選択によると思います。

一方、WillとMustが重なる部分を本業でも見つけられたら、より自律的・主体的な個人の行動が期待できるため、組織にとっても本人にとっても幸福なことです。

そのような状態を目指すために「内的キャリアへの転換を行なっていく」ことが、組織からのメッセージであると私は受け止めています。

生きがいや働きがいの言語化は、一朝一夕に完成するものではなく、私自身も育休中に取り組んだ自己分析で一番悩んだポイントでした。

シャインは「内的キャリア」の一つの観点として、「キャリア・アンカー」を提唱しています。

こちらも大切な価値観を見つけるヒントとして参考になりましたので、次回ご紹介します!


みなさんがキャリアと聞いて思い浮かべるのは、「外的キャリア」「内的キャリア」のどちらですか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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