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【創作語り】漫画の『テンポ感』って?

どうも、フタバノメです!

「この漫画…企画練ってた時は面白かったのに…なんか形にしてくと面白くなくなる!」

ありませんでしょうか?
私はめっっっちゃあります!!!

こないだ映画を観て、この現象の解決に繋がるかもなことを見つけました。

それは『テンポ感』です。

今回はテンポ感について
アウトプットがてら語っていきたいと思います!

これを知ってると

  • 企画がネームの形にならない

  • コミカライズがうまくいかない

  • なんかネームがつまらない

あたりの打開策になるかもしれません!
というか自分もそうなった時の打開策にしたい!
ぜひ最後までお付き合いください♪

テンポ感とは?

「テンポが悪い」って?音楽じゃないのに?

持ち込みなどで言われる指摘の中に

「テンポが悪い」

と言うものがあります。
割と抽象的な概念なので「そう言われても…」と思う人も少なくないはずです。

この指摘の意味合いとしては

「間延びしている」

という意味になります
「なんか読むのがだるいな…」と感じるような状態のことです。

…抽象的ですよね笑?
少なくとも私はそう思います。

実際この現象にはいくつか原因があります。
テンポが悪い、と言うのはそれらの総称なので
かなりぼんやりした言葉ではあると思います。

では、いくつかの原因とはなんなのでしょうか。

テンポの悪さの原因

主な原因としては

  • エピソードの重複や展開の進みの遅さ

  • 話の脱線や蛇が多い

  • コマが必要以上に割られている

  • セリフの言い回しがくどい/不自然

…があげられます。

前半の二つに関しては
りぼん公式サイト内、モヤズバの第4回でりぼん編集部が解説してくれています。
余談ですがこのシリーズは超有用なので知らない方はぜひ読んでみてください。
私はほぼここの情報だけで入賞しました。いやマジで。

今回は後半の演出面における「テンポが悪い」について考えていきます

漫画には独特のテンポ感がある

漫画の演出は独自文法がある

一番最初に映画を観て、テンポ感が大事と気づいたと言いました。
その映画は漫画が原作で、ほぼ原作通りでした。

しかし私は「テンポが悪いなぁ…」と感じたのです。
原作はそんなことは無いのに、です。

こういった現象、皆さんも感じたことはありませんか?
それには理由があります。

漫画は漫画の演出文法で成り立っているからです。

独自の演出文法は主に「コマ」があることが原因です。
コマは漫画にしか存在しない表現技法で、漫画の演出の要でもあります。

1ショットは一コマ?

皆さん、映画の中の「1ショット」と言われたらどれくらいの時間を思い浮かべますか?
おそらくセリフひとつ分や、印象的な数秒程度の映像を思い浮かべるでしょう。

では、それを静止画にして文字(セリフや擬音)を入れたら漫画の一コマになると思いますか?

漫画は映像を切り取っているような絵が多いですよね?
ならば漫画になりそうですよね?

しかし、答えは「半分NO」です。

半分なのは、なる場合もあるからです。
しかしならない場合も多いです。

漫画において一コマは「1流れ」です。
めっちゃ抽象的ですが、流れとしか言いようがないのです。

例えば、
「ねぇ昨日のテレビ見た?」
「見た見た!ヤバいよね、連続殺人なんて」
と言う会話があるとします。

これは映像的なショットで言うと、二つ分くらいになると思います。
でも漫画にすると一コマになると思います。

漫画における一コマは複数の情報を入れられます。
基本的に映像でカメラが同じ時は一コマになるかなぁと。

じゃあ「1カット」で良いのでは?
と思われるかもしれませんが、そうでもなかったりします。

1カットは一コマ?

漫画ではわざとカット内でコマを割る手法があります。
これはテンポ感の調整のためです。

漫画でコマを割ると、時間が経過します。
コマの間を脳内で補完するんですね。
これを使って、大幅に間を省略したりできます。
初めと結果だけ描いて、間の映像を全て省略する、といった感じです。
長めのカットを大きな一コマに収めて、短くしたりもできます。
これも省略の一種ですね。
逆に時間経過をゆっくりにさせたい時は、間のコマを描く必要があります。
また、わざと一コマにするところを大量に割って、
脳内補完を少なくし情報密度を上げ、勢いを出す手法もあります。

この辺りの技法は、YouTubeで真島ヒロ先生や浦沢直樹先生が解説されています。

さらに言えば、フキダシや擬音、絵などでも似たようなことをしています。
省略することでそのシーンを早く見せたり、細密化することでゆっくり見せたりします。

漫画は描いてあるものが少ない分、読者が大幅に脳内で補完しています。
この脳内で補完する量の違いでテンポ感を感じています。
これが漫画の独特なテンポ感の正体です。

漫画を映像化した時に変に感じる理由

漫画は文章に近い

ここまで書いて気づいたのですが、漫画の省略や細密化は文章に近いかもしれません。
小説で「朝の支度を済ませ」とあれば何をしたかは分かりますよね?
そういった省略方法に漫画も近いかもしれません。
漫画は絵があるので、映像媒体に近いように思いますが、実際は文章媒体の表現手法に近いようです。

なので、映像化した時に漫画のコマをそのまま繋げると違和感が出ます。
極端に展開が早かったり、間延びしていたり。
余談ですが、四コマや1ページ漫画形式だと、エピソード間の補完もあったりします。

このように、映像作品では描かれる部分を漫画だと脳内補完します。
なのでテンポ感の差が生まれるのかなぁと。

まとめ

まとめると

  • 漫画の一コマは「1流れ」

  • 漫画のテンポには脳内補完の量が関わっている

  • 漫画の演出技法は文章に近い

と言った感じです!
それ以外にも色々あるとは思いますが、今回はこの辺りで。
ではでは!

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