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協力してくれない相続人【調停手続】

相続アドバイザーのつむつむです。

相続のお手続きには、どうしても、相続人の協力が必要です。必要な書類に、署名・押印してもらわないといけないし、手続きによっては、印鑑署名書もとってもらわないといけません。

けれど、協力してくれない方もいらっしゃいますね。どうしてなのでしょう。色々と納得していないのかもしれません。法律で決められた内容であっても、それに不満を持つ方もいらっしゃいますからね。長男が全て相続するべきだなんて、いつの時代?っていう価値観をお持ちの方もいます。

どうしても協力してもらえないのであれば、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立てましょう。

えっ、家庭裁判所??裁判??弁護士に依頼しないといけないの??って驚いたり、心配になる方もいるかもしれません。

厳密には、裁判というか、一般に想像されるような訴訟とは違います。一般に想像されるのは、刑事事件の裁判かもしれませんね。ずいぶんと違います。「異議あり!」なんて場面はありませんww

「調停」です。遺産分割調停です。

調停は訴訟とは異なります。基本的には、話し合いで進めて、合意で終わります。当事者同士では、話が進まないときに、調停員という第三者に間に入ってもらってうまく話ができるように調整をしてもらう手続きです。

直接、相手方と話す必要がありません。

あなたが、調停員さんと話をします。話が終わったら、その待機部屋に移ります。その間に、相手方が、調停員さんと話します。相手方の話が終わり、相手方が別の待機部屋に入ったら、今度はまた、あなたが調停員さんと話をする番です。このように、あなたは調停期日では、調停員さんとだけ話をすればよいのです。もしも、相手が興奮して話にならないとしても、直接話をしなくて済むのでずいぶんと楽ですね。

調停員さんは、多くの遺産分割事件をしたことがある人がほとんどなので、素人だけで話をするよりもずっとスムーズに話が進みます。必要であれば、調停員は裁判官に相談をしながら進めてくれますし。

あなたが法律に反する主張をしていれば、法律上のルールを教えてくれます。逆に、相手方が法律に反する主張をしれいれば、相手方に法律上のルールを教えてくれます。

このように第三者を介して話し合いをする場ですから、必ずしも弁護士を入れる必要はありません。
まぁ、とはいえ、弁護士を入れると、資料の収集をしてくれて、効果的な主張をしてくれるでしょうし、調停員よりも弁護士の方が法律に詳しいので調停員を法律的な根拠をもって説得してくれたりもしますし、グレーな部分を色々と有利に進めてくれたりはするので、弁護士費用を払ってでも、自分の取得分を増やしたいと思うのであれば、弁護士に依頼することをおススメはします。
ですが、必須ではないということは憶えておいてください。そして、いつからでも依頼することができるので、まずは自分でやってみるというのでもよいと思います。

ちなみに、調停は、合意しなければ、成立しません。合意というのは、当事者全員が同じ内容で、これでいいです、と応じることです。一人でも、この内容には応じない、と言われてしまえば、調停は成立しません。

調停が成立する見込みがないとなれば、調停を終わらせて、次は審判に移行します。
審判では、基本的に、これまで調停で話し合った内容に基づいて、裁判官が法律に基づいて、ばしっと、結論を出します。
誰が反対しようが、これで決まってしまいます。即時抗告といって、審判が届いてから2週間以内に、家庭裁判所の上の高等裁判所で、もう一度判断してほしいと申し立てることができます。家庭裁判所で出ていた事情だけで新しい主張や証拠がなければ、通常は、高等裁判所は、即時抗告を棄却して、家庭裁判所の審判が確定します。

ということで、相続人の中に協力してくれない人がいても、調停か、審判かで、最終的な結論が出るという仕組みです。
ぜひ利用してみてください。

不安な方は、法律相談で弁護士に30分程度の相談を何度かしてみてもいいかもしれませんね。

いつか、いい弁護士の探し方の話もしたいですね。いずれにしても、複数の弁護士に会ってみた方がよいと思いますし、気になる点は、自分でもきっちりとインターネットを使って調べて、勉強して、そのことを弁護士と話してみた方がよいと思います。それをするだけで、おかしな弁護士にあたることはないでしょう。あと、どれぐらい弁護士費用が生じるのか事前に確認してくださいね。一般的な弁護士費用がどのぐらいになるのか、についてもいつか記事にしますね。まぁ、ネットで検索すれば、色んな法律事務所の費用感がわかるだろうと思いますが。

では。残された時間に大切な人を大切に。相続アドバイザーのつむつむでした。



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