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私は帰り、時は還らない

今朝も山の上に光が点滅してるのを見て、
すわ、UFOか?とじっと見ていたら、
明るくなって、
高度警告灯らしいと分かりました。

じゃあ加計呂麻島で見たのも同じ?
それにしては高い位置でした。

名瀬港から海上保安庁の船が出港して行きました。
海の守りという言葉がよぎります。

昨夜は大浴場付きの大きなホテル泊まりだったので、
今朝も立ち神様を見ながら朝風呂に入りました。

お日様が上がってきます。

帰る日も晴れてます。
と、良い調子でホテルを出たのですが、
植え込みの枝に引っかかって、
転んでしまいました。
左腕を下敷きにしてしまい、
結構な痛さでした。
腫れてもいないし、
傷も無いのですが、
何かした拍子に、
イテテテになってしまいました。
我ながら、バランス機能の衰えが情け無い。
よく転ぶ。
今はまだなんとかなっているけれど、
老いの哀しみです。

なんとか腕をだまして、
いよいよ帰りの日になりました。
汚れものや拾った流木など、
キャリーケースで送ってしまったのは、
幸いなことでした。
但し、荷が届くのは5日後以降です。
洗濯してないので汚れが落ちなかったら、
どうしよう?
(船便だからです)

空港までの途中、
龍郷町の芦徳を通り、
手広海岸に寄りました、

波があって、
サーファーが何人も浮かんでました。
(のるほどの波ではないのかな)
岩礁のある海辺は初めて寄りました。

空港までの途中、
奄美パークで車から降ろしてもらい、
田中一村美術館へ行ってみました。
美術をやっている姪が珍しく、
とても良いと思っているみたいなので、
行ってみました。

ステキでした。
線も構図も色も、
光と翳の捉え方も。
奄美初日に行った、
一村の旧居を思い出しました。

絵の中の光と翳は、
自分の中の過去を浮かび上がらせ、
消えていった時間を思い出しました。
旅で出会った人は鏡のように、
私の老いの姿形を見せてくれました。
中身はやんちゃ坊主でも、
見たら老婆以外の何者でもないと、
教えてくれます。
一村は評価される為ではなく、
自分が表現したい何かを描ききりました。
(北斎みたい)
私は何をしてきたんだろう?
少し残念。

一筆箋を買って、
飛行場まではバスで行きました。

出発は少し遅れたけれど、
予定通りに羽田に到着しました。

最後の試練は、
迎えに来てくれると言った夫が迷子になり、
暗く寒い路上で40分待つことになってしまいました。
(家からは一度右折したら、
真っ直ぐなのですが)
いい加減に覚えてたらしい。
土産も流木だから、
届いてないし、
とりあえず「ありがとうございました」だけ、
言いました。

思い返せば、
何ヶ月か前、
八月踊りを習おうとして、
全然掴めず、
私には縁が無いことなのかな?と思った時、
偶然、ノリちゃんが加計呂麻島に居るという、
記事を読んで、
次は連れて行ってとコメントしたことからはじまりました。
八月踊りは村落によって開催日が違ったり、
調べてくれて、
それに合わせるのは難しいけど、
加計呂麻島に行こうということになったのです。
ノリちゃん夫妻は加計呂麻島に何度も行ってます。
定宿もあって、
この5日間の旅が実現しました。
八月踊りには合わせられないけど、
ご夫婦が見せたい加計呂麻島を案内してくれました。
奄美大島の海人スタイルさんや、
加計呂麻島の5マイルさんはステキな宿でしたが、
あちこちでのハプニングやら、
クバの葉の籠作りとか、
最後の晩の島唄との出会いとか、
思い出すと夢を見てたような、
不思議な感じです。
二人が計画してくれた事が骨格なのですが、
偶然浜辺で立ち話をした人の言葉や、
豊年踊りってどういうものか、
島の伝統を疎んじて都会に出て、
逆に島の良さに目覚めた人が、
今はそれを伝えることになったことを聞いたり、
今は小学校でも島のことを伝え守ろうとして、
子どもたちも郷土を知り守るようになったことも知り、
遠回りしたようで、
ついに島唄や踊りにも出会えて、
太鼓も叩けたし、
ポツンと呟いたことが
ほぼ全部実現したのでした。

帰りの高速直通バスにご一緒した方から、
ひつじ島のヨモギもちを頂いてしまいました。

クバ籠は飛行機の中にも、
抱えて入りました。
無事壊さず持ち帰れました。


黒糖の味の初めての形のヨモギもちでした。
(夫に土産がないので一つあげました)

案内してくれたご夫婦に、
出会った人々に、
美しい海に、
スコールの音に、
宿の黒猫に、
ありがとうございましたの気分です。

左腕には、
念の為に鍼を打ちました。

明日から落ち着かない日常が戻るのでしょうか?
加計呂麻島効果が残っているみたいで、
不思議の中にいます。
多分この文章もまとまってないでしょうが、
今の私の中は混沌としていて、
これが精一杯な言葉です。

夕飯だけは、
打って変わって粗食、
ご飯、味噌汁、梅干し、海苔、常備菜でした。

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