2021/11/30 五年前の本ですが

今も執筆など多岐な活動を実践している小林よしのり氏。
私も御多分に洩れず『戦争論』で知り今に至るわけですが、そんな小林氏の作品『民主主義という病い』を今再読しています。

この本を読むと、"民主主義"を盲信していた自分に、そして"権利の上にねむっていた"自分の過ちに気づけるでしょう。
民主主義(Democracy)は、慎重な取り扱いを不断の努力で継続しなければ衆愚を経てあっさりと全体主義(集産主義)へ陥る代物。近代史や現代史はその手の事例でいっぱいです。ナチス、ソ連共産党、その他もろもろ...
本書では"民主主義"の歴史を、古代ギリシアの都市国家アテナイからフランス革命、そして日本の事例や史料をもとにまとめあげています。

どうやら私たちはご先祖様が蓄積した伝統や知恵を徒に軽視し、剰えぶち壊してしまったようです。現在を生きる我々は昔の人よりずっと賢い、だからゼロから社会を再構築しても万事支障なくやれるはずだ、と。人は合理性だけで動くわけではないのに!
無関心と放任からの全体主義が立ち込めている今、足元に昔からあるものを再評価する時が来ているのではないでしょうか。

追記

本書を読んだら、ぜひエドマンド・バークの『フランス革命についての省察』とルソーの『社会契約論』も読んでいただきたいと思います。


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