どうやっても母親と仲良くなれない

自分は今年で二十歳になるのに、反抗期の親子みたいな空気が一ヶ月に一回くらい流れる。
これは子ども目線から母親を書いているから自分の主張しかなくて、他人から見ても公平に判断出来ないとは思う。でも書く。誰かに聞いて欲しいから。



先日の喧嘩の発端は、母親の発した「なんでおばさんになると人の話聞かないんだろうね」だった。
ここ最近の私はまさにその事を母親にされて悩んでいて、自覚がないのかあるのか鎌をかけるために「自分もやってくるじゃん」と返した。冗談っぽく聞こえるように半笑いで、僅かに語尾を上げた。



沈黙。



しくったな、とすぐに分かった。冗談とは捉えてくれなかったらしい。



その後劇的に機嫌が悪くなり、会話が途絶えた。



同調して欲しかったんだと思う。自分だって今、誰かに聞いて欲しくて、本格的な意見が欲しいわけじゃなくてちょっとした相槌くらいのコメントが付けば良いなと思って、こうしてネット上に日記を書いている。
母親はネットに疎いからSNSで誰かに聞いてもらう、という発想がない。
父親は単身赴任で滅多に帰ってこないし、話そうとしても流されるし、自分が独り立ちしたら離婚しようかなと相談されたくらいには上手くいってない。
友人もいるにはいるんだろうが、頻度高く会ってるわけでもない。知っている限りでは三ヶ月に一回くらいだ。


話し相手は自分か祖母しかいない。
普段はそれが分かっているから、なるべく話を聞くようにしている。リアクションや相槌をして、興味が無くても一つや二つ質問を投げかける。



自分は母親と話す時にそれだけ気を使っている。感情表現が下手な方だから、面白そうにする時は早口にするとか声を少し高くするとか、そういった事を意識してやっている。だから反射的に会話すると声に抑揚がなくて母親は機嫌が悪いと捉えたりする。
今日の寝起きだってそうだ。朝から「なんでそんなに機嫌が悪いの!?」と言い出すから何事かと思った。
寝起きで元気いっぱいの人間じゃないことは知っているだろうに。



自分は母親が苦手だ。中学に差し掛かったあたりからずっとそうだ。どうにも子どもっぽくて、自分より年下の子と接しているような気分になる。



だからこそ必ず、作ってくれたご飯は褒めるし、手を抜いた時はそんな日もあるよねとフォローしているつもりだ。朝から夜遅くまで仕事をしてても文句を言ったことは無いし、明確な反抗期だってなかったはずだ。
だってそういう性格の母親の元に産まれてしまったんだから仕方がない。
よく聞く毒親じゃ全くないし、こっちが気を使ってれば普段は心地よく生活出来る。同じテレビを見て笑いあえるし、同じものを美味しいと言い合える。



母親だって自分に対して「これだけしてやってるのに」と数多く思っているんだろう。言ってしまえば、両親は赤子の頃から育ててくれて、未だに大学の学費だって払ってくれている。衣食住に困ったことは無いし、大きな人生の節目には相談に乗ってくれた。大学受験は丸投げだったが、これは母は高卒だから仕方がない。



母親に対してここまで真剣に悩み続けているのは母親以外の存在とは上手くいくからだ。父方、母方のどちらの祖父母とも自分は仲がいいし、父とは休日、二人で遊びに行くくらい仲がいい。母親とも遊びに行くが、父親とは一触即発の空気が流れたことは無い。全くないとは言えないが、でも父は感情的にならず話し合いで物事を解決しようとしてくれる。
単に一番顔を合わせる機会が最も多いのが母親だからかもしれない。
だから父も単身赴任に逃げたのではと思ってしまう。



争いは同じレベルの者同士でしか発生しない、というネットミームがあるように、母と自分は同じレベルなのだ。
周囲の人間はきっと自分より上で、自分は同じレベルの母親に対して噛みつきに行っている。
この前母は私のことを「母親を見下している」と言った。そんなつもりは毛頭ないが、実際の心奥底ではそうなのかもしれない。
こんなにダラダラと書き続けたが、結局は母親にちゃんと話を聞いて欲しいだけなのだ。
母親は「普段何も話してくれないよね」と言うが、私の趣味の話をすると興味なくて遮ってくるから話さなくなっただけだ。それをされると話す気は誰だって無くなると思う。



聞いて欲しいというところも嫌いだ。あまりにも在り来りな女すぎて気味が悪い。


誰かに聞いて欲しい時点で母親と同レベルだ。
してやってる、と思ってる時点で同じレベルだ。
似たもの同士で、同族嫌悪でいがみ合っている。

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