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「一緒に頑張ろうな」の一言が欲しかった

朝のコンビニの駐車場に車を止めて
私は長い間泣いていた 
夫の傲慢さと言葉の暴力に怯えながら
なかなか逃げられない私と子ども

子どもは追い詰められて
体調を崩す
私も心と身体の痛みに堪えながら
少しずつ逃げる準備を進める

電話相談に助けを求めた
話を聞いてもらい
次の相談機関を紹介され
言われるがままに次々と
違う機関に相談して
協力してくれるという人たちが増えた
「大変でしたね」
「今まで、よく頑張ってきましたね」
と色々な人たちに言われて
初めて自分が大変な環境の中に
いたことを痛感させられた

助けてくれる人がいる
そう思うと1人で戦ってきた時より
少しだけ気持ちが楽になった

でも人に頼ることを
してこなかった私の人生
いったい、どの程度の大変さで
どのタイミングで相談しに行っていいのか
よくわらかない
もしかしたら私の問題は
たいしたことないのかも
もっと大変な人が沢山いるのかもと
躊躇してしまう

時々、思う
両親が生きててくれたなら
助けてくれる兄弟姉妹がいたなら
すぐに駆けつけてくれる友達が
近くにいてくれたならと

そんな時、ふと思い出す
「いつでも、お話ししに来てください。
どんなことでも大丈夫ですよ」と
優しく笑う市役所のカウンセラーさん
色々なところから差し伸ばされた
数々の助けの手に
感謝の気持ちでいっぱいになる

「暴言なんて、普通のあるあるですよ」
「別にケガするような暴力じゃないし」と
勉強しかしてこなかった
感情のないロボットのような
男の独身弁護士に
精神的に傷つけられて
私も子どもも奈落の底に突き落とされ
もがいたこともあった

ボロボロになった私を見て
動揺してキレまくる子ども
逃げる場所探しと 
聞いたことのない数々の手続き
やることが山ほどあるのに
体の不調と手続きの門前払いで
思うように進めない焦り

どうしていいか、わからないことが
沢山あるけど
少しずつでも前に進むしかない
大きく深呼吸して涙を拭き
コンビニに入る

商品を持ちながらスマホでしゃべる
30代くらいの男性がレジ待ちをしている  
「一緒に頑張ろうな」
そう言って電話を切る

心の中で欠けていたパズルのピースが
また一つ、はまった
我が家に欠けていたこと
それは一緒に頑張ること
いつも私だけが頑張っていて
夫だけが得をしてきた生活

私、本当はずっと
「一緒に頑張ろうな」の一言が欲しかった

これから進む新しい人生
そう言って一緒に協力してくれる人と
出逢えるといいな

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