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試合勝ちました

実に3年4ヶ月ぶりのMMAでした。
今回の水抜きは4.6kg
予定よりだいぶ多く抜く事になってしまいました。
いつもは半身浴で水抜きするけど今回は2~3キロの水抜きの予定だったから後輩の元Kー1ファイター西川康平を誘ってサウナで軽く話しながら5~6セット入れば終わりでしょうというつもりでした。ところが水抜き直前の体重が朝より1キロくらい増えてたのでサウナで大丈夫かな?とは思ったものの康平も誘っちゃったしとりあえず稲荷湯へ。
稲荷湯で康平とサウナ入ってたら同じく試合の中澤君も来てみんなで話しながらワイワイ水抜き楽しいなーなんて感じで。
中澤君は残り1.7って言ってたし付き合いの人らは元々そんな落とす必要もないしで我慢してずっと入って出てを繰り返してるのは私だけでした。
12分×7セット。1時間半ほど入って一回体重計ってみたらなんと1キロしか落ちてない!
やっぱりサウナは合ってないんだなと思いつつもう一度サウナへ。この時点で時間は23時過ぎ。このままサウナで大丈夫か?と疑問になってきたので家に帰って半身浴に切り替えることに。
家に帰り半身浴を1時間半でマイナス1.3キロ。
時間はam1時過ぎ。体感的にはもうこれ以上頑張っても100とか200しか落ちない感じ。経験上これは一回寝て明日の朝もう一度やり直した方がいい。この状態で寝ても400か500くらいしか落ちないだろうけど…。
嫌なイメージが頭をよぎる。
地元メインで久々に復帰戦で計量失敗とか切腹ものである。というかもうこの業界で生きていけない。
何としても明日早くから起きて落とさねば…。

不安であまり寝れずに6時間ほどで目がさめる。
ドキドキしながら体重計に乗る。
数字を見て!?となる。
61.6。リミットは61.2。
え?もうあと400しかないじゃん。
てか寝て何キロ減ったんだ?
計算したら1.6キロ減ってた。人体の不思議。
水抜きしてカラカラの体で6時間の睡眠で1.6kg減。
信じられない。人の体に絶対はない。
とりあえず奇跡的な事が起こり残り400という事で小便と軽い半身浴でリミットクリア。余裕を持って300アンダーまで。

試合の方に話を移しましょう。
相手の石田選手は6年前にアマチュアで一度戦っていて私が一本勝ちしている相手。
油断してはいけないと思いつつやはり過信と油断は捨てきれなかったんだろう。
打撃戦からの一発目の四つ組の時にあまりいい組手ではなかったけどまあいけるだろって感じでテイクダウンに行ったら逆に上を取られる。
上を取ってもスイープもされる。バックも取られる。
全く反省だらけである。
しかし今回一番強く思った事は、「必殺技」がある選手はそれだけでどの窮地からも脱する事が出来るという事。
私の場合不良ロックと名付けたアームロックと洗濯挟みの複合技がそれなんだけど、これに自分自身が絶大の信頼を置いている。
格上でもこの形に入りさえすれば誰からでも取れる。
という気持ちがあるので精神的には落ち着いていられる。テイクダウン取られて、上を取ってもスイープされてバックも取られた状態で1R残り1分ちょっと。
これ今までの自分だったらかなりパニックだ。
ところが腕を絡めた瞬間ほぼ勝ちを確信する。
はっきりした時間は覚えてないけど恐らく不良ロックに捉えてから30秒以上は絞め続けていたと思う。
これは競技者ならわかると思うけどかなり長い時間絞めていた事になる。
自信のない技なら「これは極まってないんじゃないか?」とか「技を解いて有利なポジションへ移行した方がいいんじゃないか?」という考えが頭をよぎると思う。しかし私はこの技へ絶対の信頼をよせていたので必ず極まると確信していた。この気持ちを後押ししてくれたのはセコンドのゴーゾー館長だ。
「絞め続けろ!必ず極まる!」この言葉を追い風に受けて締め上げる。残りは30秒切っている。相手はタップせずに凌ぐつもりだと思った。しかし30秒あれば必ず落ちると私は確信していた。そして相手は落ちた。
この、自分の技への絶大な信頼を自分自身で持てるかどうかが必殺技か普通の技かの違いだと思う。
今回も館長のナイスセコンドに助けられました。
あ、どうしようかなと選択に迷った時は必ず館長の言葉に耳を澄ましてその通りに動く。その通りに動いて負けたなら仕方ない。もう8年くらいセコンドしてもらってる。最近はご多忙で笑、あまり練習も見てもらえてなかったけど私が何が得意で何が不得意か、それはよくわかってらっしゃる。そして古間木とクリス。
この3人でここ5年くらいは戦ってる。しっくりくるいいフォーメーション。今回もありがとうございました。
私は今からトップにはなれない。

トップ選手から見たら昨日の試合だって草野球みたいに見えたかもしれない。UFCにも行けないしチャンピオンにもなれないだろう。けど人生どん底味わった私にしか伝えられない戦いがあると思うのでそれを伝え続けていきたい。

昨日は自分の戦いの他にもう一つのストーリーがあった。私の一番の親友のカズキが同じ大会で格闘技デビューした事だ。カズキの元悪っぷりときたら私の比ではなく、というか私の悪の師匠のようなもんだ笑
そのどうししようもなかった彼が(私もだけど)人生の再生を掛けて挑んだ試合。勝ち負けなんてどうでもよかった。試合の日までたどり着けただけでも奇跡みたいなもんだ。カズキは一ラウンド早々にパンチを受けて膝から崩れ落ちてダウンを取られた。苦しい気持ちであったけど「いいんだよ、試合しただけでも大したもんだ。よくやった。」て思いながら見届けようと思ったんだ。そしたらそこから根性見せてダウン取り返して最後TKO勝ち!そんなんありー?ってね。
自分の試合終わってもホッとした気持ちくらいのもんだったけど、カズキの試合見た後はもう涙を堪えてしばらく声もかけられなかった。
あのカズキが40歳で練習してリング上がってさ、ダウン取られたところから逆転勝ちなんてさ。信じられるかよ?15年前の俺たち。って言ってあげたい。
まあ私も40で全然リング上がってるけど。
だって私の周りには大石さんや隆多さんやJさんという鉄人たちがいるので、年齢は言い訳にはならないよね。
いつまでやるの?とか何を目指してるの?とかってうるせーよって思いませんか?
芸能人だろうが政治家だろうが自分の人生の主役は自分なわけでそれ以外のほとんどは脇役なわけで。
このノートだってグダグダと何を長文書いてんだって思う人もいるだろうけどここは私のノートなので好きにやらせろと。嫌なら読まなきゃいいだけだしね。

試合が3年半近くも開いたせいで世間的には忘れられてるかもしれないけど自分的に忘れられないのは自分が三連敗中だったという事。他人にはわからないだろうけど三年半この連敗という呪縛に苦しめられて来ましたが、やっと解放されました。

昨日ツイッターで試合後に「もう今日で人生が終わってもいい」と呟きました。本心でした。
でも死なないんです。人間そんなに簡単には。
次の日の朝思った事は「生きててよかった」です。
勝手なもんですね。
究極言ったら人間生きるか死ぬかの二択しかないわけで、生きるを選択するならばもう過去の事を考えるのではなく未来の事、今の事を精一杯こなしていけばいいと思うのです。

帰りに見た富士森の桜は一生忘れられないな。
応援ありがとうございました。

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今後の活動の糧とさせて頂きます。よろしくお願いします。