社労士事務所への転職ポイント
私はIT→社労士事務所→ITと進んでいますが、基本的に良いことが多かったので、これから社労士事務所で勤務しようと思っている人向けに個人が感じたことを記載していきます。
(先に申し上げますが、私がいた社労士事務所はかなり待遇も良く、売上規模も大きかったです。正直、恵まれていました)
1. 社労士事務所に転職するということ
【求人はどこで探すのか】
まず、求人が見つかりません。というのも、「お金がない」ので広告媒体に求人を出すことが難しいからです(苦笑)
多くの場合がハローワークに求人を出します。私はハローワークで求人を探すことにとても抵抗があるので、「ヒビコレ」というサイトで探しました。(正直、イケてはないです。。。)
【求人でのポイント】
アルバイト程度で良いと思っていたので、条件等はあまり気にしませんでしたが、とにかく「給与が安い」、そして「含み残業」が多いと思いました。含み残業が多い=残業が多いと言っているのと同じなので、正直、その社労士事務所はどうなんだろう。。。と思いました。(残業削減が社労士事務所の仕事では?コンサルの専門職なのにこの月給は安すぎるのでは?)
【実際に応募してから】
自身が採用をやっていたので、返信の遅さにうんざりしました。当日返事をもらうことはなく、大体3日後でした。
終わってるなぁと思いつつも、「ある意味チャンスがある」とも感じました。
【仕事内容】
求人の段階では、違いが分かりません。そもそも、やっていることは同じですし。(入ってから得意業界があるのはメリットだなぁというのに気付いたくらいです)
【オフィス】
人数が少ないので、基本はマンションの1室でした。正直、「大丈夫か?」という印象を持ちます。
【年齢】
大体40代です。20代がいる社労士事務所は稀有で価値があります。(若い人がいないと会社として勢いがないため)
【決め手】
自分の場合は、同郷で親近感があり、家から近いというのが決め手でした。未経験だったので給与は下がるのは分かっていましたが、それでも他の社労士事務所と比較して提示された額はかなり高かったです。また、人数も比較的多く、しっかりとした印象でした。オフィスも構えてました(苦笑)
年齢も30代が多かったです。
2. 実際の働き方
【手続業務からスタート】
最初は手続業務からやりました。大手企業がお客様でしたので、入退社だけでも20人前後は毎日やっていました。一気に経験が積めてとても良い機会でした。
【コンサル業務へシフト】
手続をしつつ、顧客に対してアプローチしていくことになります。長期契約を結んでもらうために、良い関係を築くことを主眼に置いていました。「無理を言われてもなんとかする」というのが自分のセールスポイントでした。
少しずつ就業規則の変更など手伝うことが多くなりました。このあたりから本格的にコンサルとして営業も入ってきます。
【勤務状況】
基本、土日休みですが、終わらないと土曜日も仕事をしていました。ただ、日曜日は完全休みでした。基本はカレンダー通りです。休むタイミングもかなり融通が利いて働きやすい環境でした。
【一緒に働く人】
基本は人事経験がある人が多く、ガツガツしている印象はないです。また、みんな調整するような感じなので、主張が激しい人はいませんでした。
【基本はアナログ】
システムに詳しい人はいないので、IT経験者はチャンスです。アナログすぎて正直ついていけないところもありました。(メールではなく、faxを使うところとか。。。)
g suiteやchatworkの導入をして改善していきました。
【給与】
給与は当初の通り、高く設定されています。最後は年俸制でした。給与面に関しては特に不満はないのですが、自身のスキルと時間を売る仕事なので、タイムマネジメントが重要だと感じました。他の社労士事務所では、経験に関わらず一律16万の基本給からスタートしているところもありました。
【将来性】
法改正などで売り上げが上がることがあります。基本は「顧問契約」というサブスクリプションモデルなので、いかに顧客とズブズブな関係になるかが重要だと感じます。
手続に関しては、HRtechの波が来ているので、メイン業務としてやっていくというのは難しい気がします。
【紙文化】
役所は紙での提出がまだまだ多いので、コピーや印刷を大量にします。転職した当初は紙でよく手が切れていました。
【情報共有文化】
あまりないです。Aさんは〇〇会社の担当という形をとることが多いため、コミュニケーションの円滑さが運営上の課題だと思います。
【評価】
基本は個人事業主みたいなものなので、評価は代表が決めます。何を評価しているのか、昇給はどういう理由なのかは明確でないことがほとんどです。小企業なので、そんなものだと割り切ってます。
【昇給や賞与】
毎年の利益分からどう捻出するかという考えなので、特に決まってないのではないでしょうか。他の社労士事務所は基本ないです。
3. 退職した理由
【仕事への不満】
手続に関してはほぼやり切ったと感じました。後はコンサルですが、正直就業規則等の変更にそこまで興味がもてませんでした。ITを使ったコンサルの方が向いていると思いました。ITインフラと労務分野の両方で顧客のコスト削減するのが仕事では?と考えるようになりました。
【仕事のスタンス】
基本はコスト削減やリスクマネジメントの仕事なので、イマイチ自分の中で盛り上がらなくなりました。稼ぐ仕組みを作るにしても、「人事制度」などで評価をしていくということになります。
【営業職への憂き目】
今まで明確に営業という仕事をやっていないことが自分の中でガツガツやりたいという意欲が出ました。
【他業界との関わり】
専門職なのでどうも同業内で関わることが多いと思いました。社労士の地位向上を目指す人、社労士に営業を教える人など、なかなか理解できない業界だと感じました。
【売上規模】
スキルと時間を売る仕事なので、そこまで利益が出ません。利益が出ないので投資も難しく、新しいチャレンジが難しい業種だと思いました。売上も大きくないです。
4. 転職後
【経歴へのプラス】
基本は専門職を経験しているので、転職する際には管理部門への転職になります。ただ、社労士事務所の時に自分も多くの企業を見ているので、規模や採用担当の仕事のやり方でレベル感は分かってしまいます。人間関係のトラブルも想定できるので、良いところに行こう!という意思が高くなります(苦笑)管理部門は、求人が他の職種と比較して少ないので、タイミング次第になります。また利益を生まない職種なので、間接的な利益をどう生むかを想定できるところが良いでしょう。
【転職の方法】
エージェントと求人広告を使いました。
しかしながら、実際にやることは社労士事務所と同じなので、どの会社も同じだなぁと感じていました。途中から大企業の選択肢はやめて、ベンチャーを中心に見ました。
最終的には、これまで培っていた人脈で仕事を選びました。
【転職後の給与】
特に変わりません。大企業では年齢で役職が決まるケースもあるため、役職者で入るのか、1メンバーで入るのかなど選択次第です。
【転職後の仕事】
社労士事務所に仕事を依頼する立場なので、実情を分かっており、「自分がやった方が早い」という感覚は出ます。そこをどう抑えて仕事を調整していくかがポイントになります。
また、大企業であれば運用ルールが決まっているので、社労士事務所と違って自分で必ずしも判断できるわけではありません。
【オフィス】
基本、創業間もないベンチャーでなければマンションの一室というのはないと思います。またPCもスペックが高いものが多いでしょう。
5. まとめ
管理系のスペシャリストを目指すのであれば、一度は社労士事務所に行くのが良いと思います。色んな会社のノウハウを学べますし、転職時に箔がつきます。
一方で給与は高くないため、細く長く働く人に適しています。20代で転職できれば給与面もある程度我慢できます。そしてスペシャリストの道に進むのが良いでしょう。
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