メタセコイヤの詩
きっと誰のことも愛していないんだよ、平等とか平和とか声高にみんな叫ぶけど、個人としての自由が認められないこの世界で、きみはずっとひとりだった、何をしても非難される、出る杭は打たれるらしい、でもぼくはまだなにもしていない、生きているだけで目障りなのだろうか、きみは目を閉じる、
子供のころ学校で見た メタセコイヤ、柔らかな葉の感触に生きているのだと知った、あのメタセコイヤ 今も生きているのだろうか、記憶の中の思い出ばかりが輝いて見えるのはなんで、どんな時もぼくは、あの頃もぼくは苦しかったはずなのに なんで、
思い出ばかりが美化される、その記憶の中でしかきみは息ができなくて、そうやってきみは生きた化石になる、みんなの記憶の中でしか生きられない、やがて誰からも忘れ去られて、その存在がなかったことにされる、
その花言葉は「平和」。
きみに覚えていてほしかった、ぼくはだれよりも、きみにだけ覚えられていたなら、それでよかったのに、
死者は生きた人の心に存在するから、ずっと生きていられるのに、
きみに忘れ去られたぼくは、一体何の意味があるの。
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