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長距離通勤が苦痛なことを調べた論文はあるのか?

長距離通勤は苦痛なのか?

 何故自分が論文読んで感想書いてるかと言えば長距離通勤者だから。この4月から片道2時間を超えてます。往復4時間半くらい。この時間が勿体無いので始めた習慣が論文読んで書く、です。都会の勤務が嫌で大好きな城のある田舎に引っ越したのですが、再び名古屋勤務になり、辞めるほどの能力もないので我慢してます。
 たまには毛色の変わった論文を読んでみようと思い、長距離通勤がテーマの論文てあるのか?と、Google scalarで検索したら、あった…。なんでも研究になるんですね。赤木博文氏の「東海地方における路線を考慮した通勤コストの分析-地価形成分析からのアプローチ-」2001年の論文です。


実際どうなの?

 通勤コストは都心部在勤者の居住地を決める要素となっていると考え、地価を分析すれば通勤コストを数量的に評価できるんじゃね?と、いうことで名古屋圏を対象に、通勤時間と地価、最寄駅と家の距離と地価、朝8時から9時に名古屋駅に到着する電車の運行本数と地価を調べたのが本稿の内容です。
 やっぱり通勤時間が増えると地価が下がる。平均通勤時間は約55分、そこから1分間通勤時間が短縮すると約947円地価が上昇する。最寄駅と家までの距離が離れるとやはり地価は下がり、駅から家までまでの平均は1,683mで、1m駅から離れると約7.5円下がり、徒歩1分で換算すると454円になるとか。そして、名古屋駅に朝の良き時間に到着する電車の本数が多い場所ほど地価が上がるそうです。
 なお、最寄駅との家に関して、東京と大阪の先行研究では電車の1分が徒歩の1分と等しいのに、名古屋は電車の1分は徒歩2分弱に相当するとか。これは名古屋圏は、家から最寄駅まで自転車や車を使う人が多いからでは、と、分析してます。
 この結果から、やはり通勤は苦痛、ということだそうです。

やっぱり通勤時間が長いと苦痛だった!

 実践してる私からすれば自明の理なのですが、やっぱり通勤時間が長いのは苦痛、との結果が地価との相関関係から明らかにされた訳です。やっぱりそうだったか。笑。
 家から最寄駅の分析は、まさに!実際、私はある程度本数の多い駅まで車で行き、そこから電車で名古屋に向かってます。私は名古屋駅近くで生まれ育ってますが、駐車場料金が高い上、家から駅までの距離が短く人も多いので車で行く発想はない。名古屋は都心部は東京・大阪と似た環境なんでしょうけど、郊外は田舎が多い、あるいは車社会の街が多い、ということなんでしょうね。それで平均すると家から最寄駅が長くなる。東三河で暮らす自分に当てはまります。
 この論文は20年以上前なので、今どうなっているのかもすごく気になります。

人口減少と通勤

 通勤時間コストが住む場所を決めていることがよくわかりました。特に共働きも増えている現在、お互いの職場への便の良さを考えれば都心に近い方が何かと便利。そして、仕事が面白いのでハードワークをしてしまう。都心部は子育てにも厳しい。名古屋のど真ん中で子育てしてた時は、スーパー遠い、階段多い、人が多い、部屋狭い…、と痛感。そして、なんやかんやで金掛かる。そりゃあ都市部は出生率が低くなるわ、と、実感しました。通勤コストを下げようという人間の合理的な動きは出生率の低下に繋がってる訳です。
 とはいえ、通勤の苦痛が結構なモノだからこその結果。リモートワークが全職種で普及してくれんものかなと、切に願います。
興味にある方は以下からどうぞ。👇

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