鳶ヶ巣砦を奇襲したい! 〜最終章〜
前回、吉川から松山峠を越えて豊川を望む位置まで到達したことで、ほぼ奇襲成功と、満足した。
筈だった。
しかし、頭の中で誰かが囁く。
「本当に、お前は奇襲したと言えるのか?」
その声は、日に日に大きくなり自分を苛(さいな)んだ。
確かに、自分は鳶ヶ巣砦に到達していない。これでは柩の蓋をする際、
「嗚呼、俺はとうとう松山峠を越えてからの鳶ヶ巣砦を見ずに死ぬのか・・・。」
と、後悔しそうだ。
おりしも、設楽原歴史資料館湯浅館長の講演を聞く機会があり、経路を改めて確認する必要性を感